70円で飛行機に乗る方法 マイルを使わずとも超格安で旅行はできる [宝島社新書] (宝島社新書 274)
高城 剛 宝島社
グループ:Book /ランキング:776
価格:¥ 680
発売日:2008-06-07 /通常24時間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
高城剛氏のセンスのよさが光る 
(2008-10-27)
アメリカや欧州では規制緩和によるローコスト・キャリアの出現により、国内や各国間の航空運賃が劇的に安くなっている。フランクフルトーロンドンを往復したら全部で1万円ぐらいしかかからずに安いと思ったことがあるが、ちょうどユーロ高が進んでいた時期でその値段だったので円高が進めばさらに安いということだろう。買い方や時期によってはもっと安くなるようだ。
いっぽう日本の航空業はどうかと言えば、本書によると主に空港の滑走路が足りないことや空港の配置のひどさ(一県一空港のような発想にもとづく)によって、航空業が寡占されローコストキャリアが発展していない状況だそうだ。
地上での移動と航空の決定的な違いは、地上では線路や道路が一旦建設されたら路線上の移動に制限されるのに対し、航空では空港の処理能力による上限を除いて空間をフルに利用できるという点である。空港が十分な処理能力を持てば自由競争のメリットを活用できるのであるから市場として整備するのは当然である。一方高速道路のような市場となりえないものを民営化したところで名前が変わっただけで何の意味もない。航空便の便数が増えて航空運賃が安くなったとき、競合する移動・輸送手段である新幹線や高速道路の料金も下がると思われる。
本書でふれられていないのは航空業が独占禁止法の例外対象となっていることである。他の独占禁止法の例外業種で起きているのと同様に既得権者たちの因習が優先され、利用者の便益が毀損されている。航空業を独占禁止法の例外から外さないでいると人と物の移動コストが高止まりした「関所国家」のままである。「関所国家」を続ける高コストは長年にわたって広範囲に積算され日本に大きなダメージを与えるのは確実である。実は航空業を独占禁止法の例外からはずすことは数年前からアメリカからの「規制改革要望書」でも要望されている。要望されるまでもなく市場化に適しているので海外で安定した運行をしている航空会社に参入してもらうには格好な分野である。海外旅行に行くときにJALやANAでなければ嫌だという人間はあまりいないだろう。国内旅行でも同じはずだ。
LCC(ローコストキャリア)紹介 
(2008-08-17)
日本にはごく1部を除きLCCは参入しておらず、オープンスカイなる世界常識に反して、鎖国体制である。 これが開放に向かう見通しは、既存の2大航空会社をはじめとする、既得権者・世界屈指の空港使用料の高さもあって暗いのだが、今後大手で、仁川や香港など近場まで脱出し、その後の旅程はLCCを利用する旅行者(著者のようにハブ空港に荷物を預けて、手荷物だけであちこち行く人も含め)も増えるだろう。
そんな人のためのLCCと世界のハブ空港事情が、主に書かれた本。
国内空港についても書かれてあるが、羽田・福岡のような利便の良い空港以外は、ハブとしては活用されず、いつまで経っても税投入され続けねば成り立たぬという、機材のみならず、空港においても航空後進国であり続けている現状が、紹介されている。
実際、日本より70円で飛べるわけではなく、題名に偽りありだが、新書にしては内容豊富であったので☆を1つ足した。
高城さんの性格がよくわかる作品ですね 
(2008-08-02)
大きく分けると前半と後半部分に分けられます。
前半部分は格安の旅行法を紹介する記述が中心で、書名の「70円で飛行機に乗れる」の秘密が書かれています。
後半部分は日本や諸外国の航空業界の現状について説明されていて、この業界がさまざまなパワーバランスによって成り立っている業界であることを思い知らされます。
もちろん、格安航空券ガイドではありませんから、その格安航空券の仕組みについて述べたものです。本当にたった70円で乗れると思う消費者はいないと思いますし、燃油サーチャージや保険料・空港使用料・入国税が別途必要だということもきちんと説明してあります。
格安航空券購入ガイドではない 
(2008-07-29)
アメリカにおいて、Low Cost Carrierを中心にアメリカ国内出張を続けていた私には
いまさらの感がする情報であり、また、格安切符の購入ガイドでもないので、評価は高くない。ほぼ毎週、韓国へ出張する昨今、飛行機をまさにバス感覚で利用しており、そのような
感覚がある意味、感覚のボータレス化ことには共感する。
また、創造性が移動に正比例すると言う理屈も、非日常の刺激が我々の脳を活性化する
ということから同意はするが、真新しい発見でもない。インターネットが個人の情報収集力、
伝播力を無限大にした上は、個人の移動範囲が拡張し、それによって、グローバル化、ボーダレス化が進むのも、納得できる。
ただし、次に生まれるのは極端にある箇所、地所に集中するリージョナル化、ミクロ化であり、狭い範囲に広大な宇宙を埋め込むようなコンデンスな環境の創造が生まれると思う。
個人のグローバル化の次に何が生まれのか、そこまで考察して初めて、意味があると思うが、
ハイパーメディアクリエーターの著者にはこれ以上は限界かもしれない。
航空業界の現状が概観できるようになっている 
(2008-07-29)
航空業界が規制緩和などで徐々に変わりつつります。旅慣れた人がその現状を会話で教えてくれているような本です。
LCC(ロー・コスト・キャリア)といって、インターネット文化の勃興と時を同じくして始まった格安航空会社の話です。ロンドンからスペインのイビサ島までハイ・シーズンで片道 4,000円など大手ができない格安の航空運賃を提供する会社がたくさん出てきているようです。新幹線が気軽な乗り物になっているように、飛行機も気軽な乗り物になりつつあります。その変化を知っているか知っていないかでグローバル化した世界に対する個人の態度が変わってくると著者は言います。
ヨーロッパで多くの時間を過ごす著者ならではの感覚だと思います。既得権益でがんじがらめの日本ではこういうサービスを実感できる日は遠い未来のようです。世界の空はどんどん安くなる傾向にあるのに(過剰なサービスはしない代わりに安い会社が大量発生している。飛行機は特別な乗り物ではなくなってきている)、日本は変わらない。そういう著者の悲観的な気持ちも伝わってきました。
インターネットにアクセスする人が増え、いろいろな情報がネットを通してやり取りできる時代。リアルの感覚の価値は逆に高まってきました。おとりよせよりも実際に現地で食べたほうがおいしいに決まっている!ネット時代に体で感じることの重要性を説いています。著者は自分の体でそれを表現しているようです。