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   リアルタイムシステム(組み込みシステム)にダイアグラム記法UMLをどのように適用するかを解説。UMLおよびオブジェクトシステムの入門書としても最適な内容になっている。本書は、翔泳社の「Object Oriented Selection」のシリーズの1冊であり、既刊書として『UMLによる統一ソフトウェア開発プロセス』(イヴァー・ヤコブソン著)、『UMLモデリングのエッセンス 第2版』(マーチン・ファウラー著)という良書が刊行されている。

   本書で扱っている内容は、リアルタイムシステムの基礎、オブジェクト指向を含む開発プロセス、UML記法全般など広範囲にわたる。本書第2版ではUML1.3に対応し、より適切なモデル化を扱えるようになった。本書は入門書としても役立つが、すでにある程度の経験を積んでいる人にも役立つ。たとえば、類書に見られないほどステートチャート図(状態図)を詳細に解説し、各オブジェクトの振る舞いの扱い方を詳細に解説している。そのほかにも、リアルタイムシステムにおけるユースケースの粒度・抽出基準やクラス(オブジェクト)の抽出基準なども詳しく解説している。これらは、受発注システムに代表されるビジネスアプリケーションとは異なる点が多いため、初めてリアルタイムシステムに関わるようなソフトウェア技術者には参考になるはずだ。

   本書では、著者が提唱している新しい開発プロセスも紹介されている。その開発プロセスは、ROPES(Rapid Object-Oriented Process for Embedded System:組み込みシステム向けオブジェクト指向ラピッド開発プロセス)と呼ばれるもので、本書で解説する方法論の基礎となっている。なお、ROPESについては同著者の書籍『Doing Hard Time: Developing Real-Time Systems with UML, Objects, Frameworks and Patterns』(1999, Addison-Wesley)で詳細に解説されている。(遠野 諒)

カスタマーレビュー
おすすめ度:
シーケンス図は通信の基本  (2008-01-05)
通信関係のプログラミングをしているため、シーケンス図は基本図表の一つです。
UMLでシーケンス図が書けることは便利だと思います。

そういう立場からすると、組込みシステムの制約があり、
その制約をもの(オブジェクト)に沿って記述したもの(オブジェクト指向)があり、
時間的な情報の遣り取りを記述するものとしてシーケンス図があると認識しています。

オブジェクト指向があり、UMLがあり、リアルタイムがあったときに、
これらの間の関係をうまく掴むためには、道具をどう使うのがよいかが、
対象(オブジェクト)によって違うかもしれません。

そういう視点がうまく掴めるとよいかもしれません。



リアルタイムUMLのRFC  (2007-10-14)
UML(Unified Modeling Language)は通常、オブジェクト指向機能を持つ言語において、開発対象プログラムのクラス階層を定式化された図形的表示方式で設計するのに使われる。しかし、その対象は時間的制約のない大規模プログラムが中心であった。本書は、UMLをリアルタイム・システムに対して適用するための基本的概念とそれに基づいた設計手法に関して述べている。OMGに対するRFCともなっている。

一般にリアルタイム・システムにおいては外部環境と相互作用し合う。主要な外部オブジェクトとシステムとの相互作用が要求分析の基礎となる。この辺の考え方は、リアルタイム・システム以外でも使えそうだ。本書ではこれに対し、ユースケース(各機能名称)、アクター(外部オブジェクト)、シナリオ(ユースケース毎の相互作用)、シーケンス図(オブジェクト間のメッセージのシーケンス)等の概念を導入し、時間軸を図の中に取り込む工夫をしている。分厚い本なので読み通すのはキツイが、我慢して読むとJavaのthreadも本フレームワークで表現できる事が分かる。

題名に「入門」とあるが、UML、オブジェクト指向に対する一般的知識、具体的なオブジェクト指向言語(本書ではJavaを意識しているらしい)を予め知っていないと対応が難しいと思う。冒頭でも書いたが、本書はOMGに対するRFCの位置付けにあるのだが、その適用実績となると「?」である。だが、UMLとオブジェクト指向をこれから学ぼうとされる方には歯ごたえのある道先案内人と言える。

内容の濃い本です。  (2005-05-23)
私はUMLについて、これから学ぼうと言うレベルです。

薄い本なので斜め読み出来るかなと思ったけれど、内容が濃く一行飛ばすと、意味がわからないと言うレベルの本でした。
慎重に、理解しながら読んでいくとUMLでこんなことが出来るんだと驚きがあります。実際に現場で使ってみたいと思います。
他にUMLの本を平行して読んでいたのですが、まず一冊と言うのであればこの本をお薦めします。
その後で、実際の作業の本を読むとよりいっそう理解が深まると思います。

ただチョット不満だったのは敷居の高さです。
私に取っては結構難しい言葉が普通に出てきます。
「言語入門」と書いてるのだからもう少しやさしく書いてくれると読みやすいのですが・・・。


組込みシステム以外でも使えます!  (2003-10-19)
タイトルからは、組込み用のUML解説書と思われがちですが、実際にはそのような制限はなく、全てのソフトウェア開発工程に使える優れた書物です。

設計フェーズは通常概略と詳細の2つに分類しますが、本書では3つに分類(architectural, mechanistic, detailed)しており、これも素晴らしい試みです。

私はUMLの勉強に先ず本書を読みましたが、本書だけでも十分仕事ができます。敢えて申し上げれば、本書でもパターンに触れていますが、ページ数の関係上詳述できていませんので、個別の専門書にあたることをお勧めします。


オブジェクト技術およびUMLがリアルタイムシステムとどう関わるか具体的に分かる  (2003-05-02)
この本から学べることは2つあります。ひとつはオブジェクト技術を使ってリアルタイムシステムを開発する方法(論)を理解できること。もうひとつはUMLを使ってリアルタイムシステムを記述する方法を理解できることです。ユースケース図、ステートチャート図、シーケンス図をどう使うかを説明した箇所は有益。全体を通してオブジェクト技術を使ったリアルタイムシステムの開発がとてもよく書かれています。ただし、オブジェクト指向言語やライブラリを使ってどうリアルタイムシステムを開発するかという実装の話は書かれていません。この本のフォーカスはもっと上流寄り、つまり開発プロセスやモデリングとリアルタイムシステムがどう関連するかというポイントです。



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