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ネオリベラリズムとは何か
David Harvey
本橋 哲也
青土社

グループ:Book /ランキング:146436
価格:¥ 1,995
発売日:2007-03 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
『新自由主義』の短縮版  (2007-03-21)
 本書の原題は『グローバル資本主義の空間』で、3つの独立の論文から構成されている。その主要部分は、最初に収録されている「ネオリベラリズムと階級権力の再生」で、邦訳書のタイトルはこれから取られている。だが、この論文は、本書の前年に出版された同じハーヴェイの著作『新自由主義の歴史』(邦訳は作品社の『新自由主義』で本年2月刊)とまったく同じ内容であり、量は『新自由主義の歴史』の4分の1程度である。

 つまり、ほぼ同じ内容のものが、ほぼ同時期にあいついで日本で翻訳が出されたことになる。ただし翻訳の出来には大きな差がある。『ネオリベリズムとは何か』の訳者は、『ニュー・インペリアリズム』の翻訳でさんざん悪評を買った人物。

 さすがにハーヴェイの翻訳は2度目とあって、『ニュー・インペリアリズム』に比べれば多少は翻訳に改善が見られるが(アメリカの元大統領レーガンが、『ニュー・インペリアリズム』では「リーガン」となっていたのが、今回、「レーガン」と表記されるようになっただけでも、大きな進歩だ)、それでも、あれこれの専門用語が適当に訳されている。たとえば、「固定資本(fixed capital)」が「定置資本」と訳されているのは驚いた。

 きわめつけは、ウェイコーで集団焼死事件を起こしたカルト教団「ブランチ・ダビディアン」が、「ドラヴィダ宗徒」と訳されていることである。ドラヴィダ族というのはインドの先住民族のことだが、もちろん、ウェイコーの事件と何の関係もない。

 残り2つの論文は、「地理的不均等発展の理論に向けて」と「空間というキーワード」と題され、ハーヴェイの理論の簡単な総括的紹介といった感じになっている。訳さえよければ、ハーヴェイ理論の入門書として役立っただろうが、訳が悪いので、残念ながら、原書を手元に置いて絶えず原文を確認しながら読んでもらうしかない。



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