ソースコードの反逆―Linux開発の軌跡とオープンソース革命
Glyn Moody小山 裕司 アスキー
グループ:Book /ランキング:309511
価格:¥ 2,520
発売日:2002-06 /通常24時間以内に発送
レビュー(Amazon.co.jp)
オープンソース文化と呼ばれるソフトウェア文化がある。ソフトウェアのソースコードを公開し、共有する形態が最も優れた成果を収めるとする文化だ。かつてビル・ゲイツはこの文化を批判した。いわく、ボランティアで作るソフトウェアに真に優れたものは存在しない、と。ソフトウェアを共有しようとする精神は企業活動を脅かすものだ、と。残念ながら彼のいうとおりにはならなかった。それは皮肉なことにMicrosoft自身も認めている。
本書はオープンソース文化の歴史について述べたものだ。現在のオープンソース文化の最も大きな成果のひとつであるLinuxや、企業によるソフトウェアの囲い込みを嫌い、徹底したフリーソフト文化を貫くGNUの成り立ちの歴史、そのほかの重要な成果物の歴史的な動きの解説、そしてこれらの立役者となったリーナスやストールマンをはじめとする数多くのプログラマーたちのインタビューや活動が記されている。
本書はまた、フリーソフトのビジネス化の動きにも触れている。この分野で収入を上げることに成功したいくつかの企業を例にとり、その活動について時系列で述べている。数多くの企業が何を目指し、どのような戦略を展開してきたのか、その歴史を知ることができるのも大きな魅力だろう。また、IBMをはじめとする既存の大手コンピューターメーカーがLinuxのサポートや対応製品を開発するようになった経緯もオープンソース文化の大きな動きとして記録されている。これらは今後商用分野でオープンソースの文化がどのように生かされていくのかを理解するうえで重要な情報になるだろう。
ソフトウェア業界の大きな潮流のひとつであるオープンソース文化の歴史をとらえることは、今後のソフトウェアの進化を見極めるために必須である。オープンソース文化の歴史を理解したい人にぜひおすすめしたい。(斎藤牧人)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
来しかた、行くすえを考えさせる本 
(2005-06-11)
FSF運動とオープンソフトの展開を、時系列に沿い、主役的立場を果たした人たちの列伝体でもって記述した肩の凝らない読み物です。オープンソフトを扱う場にいる人ならば、これまで使ったか触ったかしたソフトの開発者が誰なのか、すこしは聞いたことがあるわけですが、この本でもって、その発展プロセスの大筋を系統的に追うことができます。
私はRMSたちとLinusたちのちょうど中間の世代の人間で、FSFの萌芽期は、学生だったころに相当します。当時のことを思い出しながらこの本を読むと、なかなか感慨深いものがあります。。。。といった気分に浸りたいおっさん読者にも、これから何か自分たちで創り出したいと考えている若い人たちにも、一読の価値ありと思います。原文英語は、あまり凝った言葉遣いもなく、比較的すんなり読めます。
オープンソースという概念への前提 
(2004-10-20)
Linux、オープンソースというものはどのような流れの中にあるのか。それを知るためには優れた本である。オープンソースという概念の誕生・明文化、そしてそれが社会や産業においてどのような位置を占めているのか。
現在のオープンソースを語る上で一通りの知識は得られるだろう。
訳が最悪 
(2002-09-28)
訳がひどすぎます。原書を買いましょう。
良書だが和訳に問題あり 
(2002-08-14)
これまでのLinux/GNUとオープンソース運動の発展が解る良書。gcc, apache, sendmail, samba, GNOME&KDE等々の発展を記述する部分は大変興味深いものでした。これから「Linuxを使ってみよう!」と思っている方等に良いバックグラウンドを与えてくれると思います。
ただ、私も和訳にかなりの問題があると思います。何度も読み返さなければならない部分、もしくは読み返しても全く意味の解らない部分が多数あり、不思議なことにこの問題はページが進む毎に増えていきました。翻訳者(注:監訳者ではない)に素人を使うとこういうことになるという悪い例になってしまったようです。
フリーソフトウエア・オープンソースソフトウエア運動をとりまく人々がおもしろい 
(2002-08-07)
本書は、グリンムーディ氏が、コミュニティーから一歩引いた立場で、しかしハッカー達やオープンソースやフリーソフトウエア運動に対して、しっかりした観察眼で、活躍する人々の様子や軌跡を克明に記録したものだ。克明ゆえにとても面白い。
これまで、インターネット、開発コミュニティ、古くはUSENETやJUNETなどで間接的にあるいは電子的に知っていた事、また知らなかったことが、文章となって紙となって記録されたことは、とてもすばらしいことだ。
またこの訳書は、日本のLinux界を支える一人である小山氏がその情熱を注いだことが良く分かるレベルに仕上がっている。彼がコミュニティを代表して本書を日本に紹介しようとしたのではないか、と思うほどの責任感を感じる。
まさに必読の一冊といえる。!ただ、ごく一部に若干訳文の良くないところが見受けられたことが、残念である。