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メカニズムデザイン―資源配分制度の設計とインセンティブ
坂井 豊貴
藤中 裕二
若山 琢磨
ミネルヴァ書房

グループ:Book /ランキング:4479
価格:¥ 2,730
発売日:2008-08 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
私には少し難解だった。一回きりの通読では無理(私には)‥。  (2008-10-31)
とはいえ、本書の内容は他にあまり類がなく、丁寧に数回通読すれば、相当に得るものがあるはずである。買って、繰り返し読む価値あり。

邦文初のメカニズムデザインの教科書  (2008-08-20)
メカニズムデザインとはミクロ経済学の一分野であり、その基本思想は、通常のミクロ経済学で前提とされる価格メカニズムなどの配分制度を外から与えられたものとせず、ゼロから設計すべきものと考えることである。この発想により、既存の経済制度を再評価し、さらに新しい経済制度の構築に知見を与えることが可能となる。メカニズムデザインはここ二、三十年の経済理論の発展に大きな影響を及ぼしてきたが、最近は理論研究のみならず実世界での運用(例えば、オークション制度の設計など)も行われるようになり、ますますその重要性を増している。メカニズムデザインの基礎に対する貢献によりハーヴィッチ、マスキン、マイヤソンの三教授が2007年度のノーベル経済学賞を受賞したのは記憶に新しい。現代の経済理論において最も注目すべき分野のひとつといえる。

本書は以下の3つの点で画期的な著作といえる:
(1) これまでメカニズムデザインの邦書での教科書はなく、この分野の初学者は英文の専門的文献にあたらなければならずハードルが高かった。本書は邦文初のメカニズムデザインの教科書であり、これにより多くの学生、研究者がこの分野を学べるようになった点で画期的である。

(2) また、本書はメカニズムデザインの一般論における古典的な結果から、さまざまな応用モデルにおける最新の結果までを幅広くカバーしている。メカニズムデザインにおいて、このように多様なトピックをひとところにまとめた文献は英文においても例がなく、その点でも画期的である。(とくに近年実世界での応用の観点から多大な関心を持たれているマッチング環境でのメカニズムデザインについても最近の結果がまとめられているが(6章、7章)、これはマッチング関係の文献にも類がなく重宝なものである。)

(3) さらに、本書はこのような多彩な内容を持つにも関わらず、簡潔明瞭なまったく無駄のない記述により、ページ数の相当な圧縮に成功している。読者は時間を無駄遣いすることなく、効率よく専門的な知識までたどり着けるだろう。

本書の著者3名はこの分野で新進気鋭の若い研究者である。この分野で着々と業績を挙げている方々であり、ありがちな「高みの見物」の「解説者」でないという点で、記述にも信頼が持てる。本書には著者自身の業績も紹介されている。また、他の日本人研究者の名前も多く見ることが出来、日本人がこの分野に大きく貢献していることがうかがえる。

本書によっては、他分野の研究者、大学院生は非常に効率よくメカニズムデザインの最先端を眺望することが出来るだろう。また、本書は非常に多くの論文をサーベイしており、研究の歴史的な流れなどについてもかなり専門的な解説がある。この分野の専門の研究者にとっても資するところが大きいに違いない。

メカニズムデザインは経済学の研究者にとってすら非常に専門性の高い、いわば「とっつきにくい」分野であり、そのためこれまで「現実と遊離した机上論」とされ評価が大きく割り引かれて来た感が否めない。本書の出版がメカニズムデザインの普及と「再評価」につながることを願いたい。



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