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ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
Agatha Christie
加島 祥造
早川書房

グループ:Book /ランキング:64596
価格:¥ 924
発売日:2003-10 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
ナイルと古代遺跡とセピア色の風景での事件  (2008-06-19)
表紙が内容と一致して効果的!。同様のことは「そして誰もいなくなった」の表紙と同じくらい効果的だった。内容によくマッチしていたからだ。お金があっても若く美しい美貌があっても幸せになる要素をほとんど兼ね備えていても、問題は誰にも起こるのだと感じた。登場人物は多いがみんなかなり個性的なので、躍動感があって生き生きとして読みやすかった。またもや意外な展開で、ある人の死によって、さらに死が引き起こされ、それがさらに別の死を・・・。
完璧に計画された犯罪が、偶然のことで予想外のことが起こり、当初想定外だった2つの別の殺人を引き起こす原因となる。そして様々な憶測を生んでいく。私は今回も犯人を外しました。ありえないと思っていたことも、「ああそういう順でならありえるな」と思えるポアロ発想は素晴らしい。ポアロの意表も突いたこの事件、一体どれだけの読者が犯人を当てられるのか?いい作品だった。今、アスワンハイダムができて行けなくなった所も当時行けてうわやましくもあった。ナイル川の船旅に行きたくなった。

幸福って?  (2008-02-12)
 「こんどこそ、やらなきゃ」男はいった・・・
 大富豪のリネットは親友のジャクリーンから恋人のサイモンを奪う。新婚旅行先のエジプトで、二人はツアーの中にジャクリーンの姿を見た。波乱の影がそこにみえたが・・・エジプトを舞台に起きる連続殺人を扱ったクリスティ懇親の本格ミステリの傑作。

 クリスティの数多くの作品の中でも希有なほど直球ど真ん中で本格のミットにバッシっと決まっている感がある。本格の枠をちょっとずらすことで、演出効果を上げることが多いクリスティの作風からすると意外なぐらいストリートな本格モノである。本格の醍醐味をこれぐらい味わえる作品もまずないだろう。惜しむらくは、決定的な証拠をポワロ(作者)があえて隠している点。ほんらいなら、この点で失敗作といわれかねないのだが、あまりにそれ以外が整っているので、不満があまりない・・・ある意味すごいね。

 この話は、お金も美貌もすべて持ち合わせた若い女性の物語ともみれる。冒頭、パブに集まった人達の間で「すべて持ち合わせているなんて、不公平じゃないか?」といった会話がなされるのが、象徴的だ。この事件に直接のないこのエピソードを冒頭に持ってくるあたりにクリスティの意図が察しできる。はたして、彼女は自分の幸運を上手く活用できたのであろうか・・・・

クリスティーのベスト3のひとつ  (2007-12-20)
名作推理の多いアガサ・クリスティー作品の中でも、本書は間違いな
く 作者のベスト3に挙げられるべき作品である。もちろん、ベスト1・2
が『そして誰もいなくなった』と『アクロイド殺し』であることはいうまで
もない。

豪華客船でさまざまな思惑を抱く登場人物たちとともにナイル河を遡
りながら事件の予兆を感じさせる展開は、まるでトラベル・ミステリー
のはしりのようだが、決して軽佻浮薄な作品ではなく実に重厚な本格
作品で、それでいてページがスムーズに進むのは、やはり作者の語
り口の巧みさによるものといえよう。

クリスティーの作品の特徴は、小さなトリックの組み合わせとその巧
みなプロットで読者を錯誤に陥らせるものが多いが、本書においては
作者には珍しく、大胆かつ大掛かりなトリックが用いられている。もち
ろんプロットの巧みさはいうまでもなく、犯人の意外性といいトリックの
独創性・その切れ味といい、まったく非の打ちどころのない作品であ
る。

ちなみに本書のメイン・トリックだが、とある著名な作家が日本探偵作
家クラブ賞(日本推理作家協会賞の前身)受賞作でこれに似たトリッ
クを用いている。どうやら本書に触発されたものらしいが、このような
物まね作品が受賞したのは日本推理小説史上、最大の愚挙といえ
よう。
なぜならそのとき最終候補に挙がっていた作品は、横溝正史の最高
傑作『獄門島』と高木彬光の処女作にして代表作の『刺青殺人事件』
といういずれ劣らぬ超傑作で、選考委員たちがトリックの前例等をしっ
かり審査してさえいれば、このような物まね作品が選ばれるはずはな
かったのである。
しかし逆にいうと、その物まね作品のオリジナルである本書がいかに
秀れた作品であるかを証明しているともいえよう。

くやしくて2度読みました  (2007-11-25)
母が私の生まれる前から(一冊100円の頃。。) アガサ クリスティーの単行本をほとんど集めていたので、ほとんど読みましたが、この本はその中でも印象に残りました。犯人の予想が2転3転して、結局最後の最後まで解からなかったです。犯人がわかってからもう一度よく注意して読み直し、どうして私はまた作者にだまされたのかを追求しました。彼女は作品が多いので内容を忘れてしまうものもあるのですが、この作品は忘れません。お勧めです。

トリックも人間模様も。  (2007-11-17)
美も富も兼ね備えた、若き資産家リネットは、
夫サイモンと新婚旅行のため、ナイル川の上、船に乗っていた。
しかし、かっての親友であり、サイモンの元恋人であるジャッキーが
リネットたちにつきまとい、復讐をほのめかす。
ポアロシリーズの傑作です。

やがてリネットが殺されるのですが、動機のある二人、
ジャッキーとサイモンには完全なアリバイがあり、
さあ犯人は誰か、というトリック、フーダニットも楽しめます。

一方で、リネットたちの恋愛模様、
他の乗客たちの恋愛模様と人間関係も、しっかり楽しめるよう
描かれていて、ふたつの意味で大満足の一冊です。



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