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ゲド戦記 全6冊セット (ソフトカバー版)
清水 真砂子
岩波書店

グループ:Book /ランキング:16393
価格:¥ 7,350
発売日:2006-05-11 /只今品切れ中
カスタマーレビュー
おすすめ度:
本当の「小説」  (2008-06-14)
近年映像化されたものの、なかなか評判の芳しくなかった作品の原作です。それもそのはず、このお話は他の多くの「物語」とは違って、紛れもない「小説」なのです。因みに僕の定義では、「小説」とは言葉、即ち人間の新たな可能性に対する挑戦の記録ってところでしょうか。だから本当の「小説」は決して他の媒体では置換され得ないし、その逆も然りです。ル=グウィン氏の言葉に対する情熱と、ストーリーテラーとしての抜群の才能が出合ってできた、まさに奇跡的な「小説」、それがゲド戦記です。

リアルな心理描写を通じた「生き方」の指針としても位置づけられる  (2007-12-15)
ファンタジーとして間違いなく最高峰の作品であるが、我々が日々いかにして「良い生き方」をしていくかに関しても、示唆に富む記述が無数にある。

例えば、怒りや虚栄心など、心に絶えず沸き起こるコントロールしにくい感情とどのようにつきあっていくか、といった誰もが直面する課題を、登場人物のリアルな心理描写を通じて示している。

内容は★5つ。  (2007-11-26)
しかし、如何せん、「ゲド戦記」はないだろう!
と、腹が立つほど遺憾に思います。
「ゲド」中心の物語群ではないし、ましてや
「戦記」ではない。
シリーズ名を、今からでも遅くない、
原書通りの「アースシー」に変えることを強く望みます。
読者が、「ゲド戦記」というシリーズタイトルにより
「ゲド」の「戦記」であると思い込んで読み進み、
失望感や焦りを感じることがあるとすれば、
これは重大な訳者(及び編集者)の過ちです。

訳文が日本語日本語していて、すばらしい  (2007-09-23)
原作の緻密な文体を精確に翻訳しよう、手垢のついた表現にならないようにしようとして翻訳された日本語は、新鮮な詩歌の文体になっています。”日本語日本語してる”というのが読んだときの最初の感想でした。佐藤春夫の「田園の憂鬱」のあの特異な文体が思い出されました。清水眞砂子さんの訳文はすばらしい。日本語のお宝です。原作者は、SF作家、ファンタジー作家として著名ですが、奇をてらったり読者を喜ばせようという気があまりないらしく、じっくり、深みのある作品を書くのが特徴のようです。ファンタジーではあるがまぎれもない”文学”なのです。このためでしょうか、米国でも「ゲド戦記」はけっこう品切れのまま放っておかれ入手できないことがあるようです。ティーンエイジから大人の読み物(女子は早熟なので小学高学年でも可)だと思いますが、わが娘に読んでもらいたい作品です。

第4巻「帰還」の衝撃  (2007-08-19)
「指輪物語」、「ナルニア物語」と並ぶ三大ファンタジーのひとつとして有名ですが、最近アニメで映画化されたことにより初めて知った方も多いのではないかと思います。(私はアニメは未見ですが、映画化されたのは原作のほんの一部で、改変されてほとんど別の作品になっているようです。)原作は全6巻、アースシーという架空の多島海の世界を舞台に、一人の魔法使いの少年時代から晩年までを壮大なスケールで描いた物語です。魔法使いやファンタジーというと、それだけで敬遠する人もいるかもしれません。実際、私が初めて1〜3巻を20年以上も前に読んだときは、ただ魔法使いのおもしろい冒険物語というくらいの認識で、(すでに大学生だったので)もっと子供の頃に読んでいればよかったと思ったものでした。そしてその時点では、全3巻で物語は完結していた(はずだった)のですが、何と第3巻から18年後に、著者は第4巻「帰還」を書いたのです。これを読んだときの衝撃は忘れられません。ああ、第1巻から第3巻まではこれが書かれるためにあったのだと思いました。本の箱には小学6年、中学以上とありますが、「帰還」は内容が深すぎて、この年代ではとうてい読みこなせないと思います。たぶん彼らに感想を聞いたら「何だこれ、何で○○は何もしないの、、、つまらない」で終わりでしょう。今になって読み返すと、実は1〜3巻も深い読み方ができたのだとわかります。1〜3巻のテーマを一言でいうと、「自己」「外界」「生と死」、第4巻のテーマは一言でいえそうにありません。ただ「帰還」を読むにあたっての注意として、衝撃といってもいわゆるミステリーのどんでんがえしなどとは対極にあるので、1〜3巻の延長で読んでいくと、期待を裏切られることになります。(でも本当はそれこそが衝撃なのですが。)また、仮に1〜3巻を読まずにいきなり「帰還」から読んだとすると、先の子供と同様の感想しか持てないのではないかと思います。必ず1〜3巻を先に読んでからにしてください。全6巻の残り2冊は締めの第5巻と外伝という構成になっていて、「帰還」のあとは外伝から先に読んだ方がいいかもしれません。このシリーズは読む人によってそれぞれ好きな巻が異なるようで、そこがまたすばらしいと思います。私は実は第1巻が好きなのですが、このシリーズ全体を決定的に深くしたのはやはり、好き嫌いを超えたところの、第4巻「帰還」における物語の大転換に尽きるでしょう。



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