レビュー(Amazon.co.jp)
カーリー・フィオリーナは、アメリカ企業の世界において、最も多く羨望のまなざしを浴びると同時に最も中傷された女性である。シリコンバレー誕生のきっかけを作った伝説的なヒューレット・パッカード(HP)を経営するために1999年に白羽の矢が立ったとき、彼女は就任早々から大きな改革を公約した。彼女はエンジニア重視だった会社にあってマーケティングの天才、質素であることを説く文化にあって突然あらわれた有名人、そして、最も女性差別が厳しい業界にあって女性だった。
純粋主義者が彼女を憎んだのも無理はない。だが、過去20年間、彼女は常に否定的な声に打ち勝ってきた。そして、HPでは、彼女は反する2つの文化を結びつけ、ほんとうの意味でのHPスタイル ―― 創業者のビル・ヒューレットとデービッド・パッカードの古い価値観 ―― を守りながら、このハイテク業界の先駆的な企業をつくりなおそうとしたのだ。彼女の熱い新しいスタイルは「完璧」になると思われた。
カーリーは成し遂げたのだろうか。行き詰まりの状態にあるこの緊張感の中で支持者も敵も同じ質問を投げかけた。2001年HPの共同創設者の息子であるウォルター・ヒューレットと、会社の運命、そして宿敵コンパックコンピュータとの合併プランについて激しくぶつかった。その後数か月の間、フィオリーナとヒューレットは、役員室で、メディアで、そして最終的には法廷でぶつかった。その闘いは、一方がもう片方を完全にたたきのめすまで続いた。
このすばらしい人間ドラマを、ジョージ・アンダースは誰よりも詳しい情報源によって、新聞より詳しく描き出している。彼は、フィオリーナが世間で見られている以上に勇気があるのと同時に傷つきやすいことを明らかしている。そして、アイダホ出身のパワフルな「世捨て人」が演じた役割 ―― 新旧の時代に橋を架けることのできた唯一の人材であること ―― を明らかにした。(Book Description)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
企業の買収劇の裏側の物語 
(2004-09-28)
企業買収の舞台裏でこんなに凄まじい攻防戦が行われているのだと驚く。これは普通に生きている私たちが知りようのないビジネスの世界である。この一大買収劇は一人の女性の決断と姿勢が源となっておこる。批判されぼろぼろになりながらも一つ一つ実行していく彼女の意思の強さと行動力はただ乾杯!私はシリコンバレーに行く飛行機の中でこれを読んだのでひたすら大興奮であった。そしてビジネスクラスだったからか隣に座っていた人が偶然コンパックの重役であった。読み終わった後彼女の評価について盛り上がった。
彼いわく「この買収劇によって何を得たのかというと疑問が残る。企業文化が破壊され新たなものは創造されたのだろうか。」と言っていた。そこらへんは読者である私たちが丁寧にニュースを追っていくしかないであろう。
このフィオリーナさん、かつて彼女は秘書をしていた時代もあるという。人生を丁寧に一歩一歩つみ重ねて行けばこのような地位に着くこともあるという生き方本としても良書。
男社会との対決は痛快 
(2004-07-06)
私がバカなのかもしれませんし、こんな質問をしても意味がないと思いますが、最大の成果は企業買収。コスト削減、利益動向、受注実績を達成した経営者が英雄ということ自体がどうもよくわからない。彼女は一体何をクリエイトしたのでしょうか??ストリップに連れて行かれて平然と振舞った、男性の前のスピーチで股間を強調した、等の彼女の男社会との対決は痛快至極でした。
実業界のサッチャーの戦い 
(2003-12-09)
AT&Tから独立し、ルーセント・テクノロジーの新規株式公開に成功した”米実業界で最もパワフルな女性ーフィオリーナ”が、疲弊していた名門ヒューレット・パッカードのCEOにヘッドハンティング。HPウエイに象徴される殆ど純粋培養に近い企業文化に突入し、苦悶しながら経営改革が始まる。
HPの起死回生の為には、コンパックの買収以外にないとの結論に達し、取締役決議を得るが、創業者の子息ウォルター・ヒューレット取締役が反対したために、取締役会の合併決議が必要となり、両陣営間の熾烈な株主の委任状争奪戦が始まる。
血みどろの委任状争奪戦、その虚虚実実の駆け引きと戦いの結果、僅差でフィオリーナ陣営が勝つが、疑惑が生まれヒューレット側が決議取消しの訴訟を起こす。結局これにも勝訴するが、アメリカの開放された資本主義の一面が浮き彫りにされていて面白い。これらの一連の経緯、法制度、取締役の運営と内情、株主対策等を読んでいると、アメリカのコーポレート・ガバナンスが何なのか理解するのに役に立つ。
あのビル・ゲイツでさえ、政府の独禁法違反捜査に神経が参って役員会で泣き崩れ、CEOを下りたが、フィオリーナは自説を固持して敢然と戦った。IBMに比肩する名門HPを堅持する彼女の傑出した経営手腕を描いて余りある。創業者の経営から大きく成長して巨大化した企業の次代の経営トップの資質と選択等について、同じく、IBMを蘇らせたルイス・ガースナーの”巨象も踊る”を併読すると実に示唆に富んで興味深い。
内容は良い、ただ翻訳と編集がまずい。 
(2003-12-05)
HPがコンパックと合併に到るまでの過程を細かく描いており素晴らしい。HPと創業者家の歴史、フィオリーナのCEOまでの道のりを詳細に知ることが出来る。それぞれの歴史が後半の委任状投票まで結びつき、緻密な構成になっており素晴らしい。可能であれば、HP-wayを併せて読まれることをお勧めする。
惜しい点は、翻訳が読むに耐えないレベルであり、編集のレベルも粗雑であるという点である。初版のためだろうが、今後重刷される際には再度見直して頂きたいものである。
CEOは孤独であり、政治家よりタフでなければならない 
(2003-11-07)
サブタイトルである“世界一の女性CEO”は紛れもなく主人公カーリーフィオリーナのためにある、読後に感じる第一声だろう。
但し、翻訳がこの上なく悪く読み難いので、最後まで読めない人が多数出るのではないかと心配している。
M&Aを検討している社長にとっては必読の書であると思うが、いかがだろうか。特に中小企業経営者で後継者が育っていない(育てなかった)企業の先にあるM&Aの事前準備にお奨めする。
HPが合併後成功したかどうかの結論はまだこれから先になると思うが、少なくとも間違った合併ではなかったのではないかと思える内容でした。
男性経営者、これがCEOだ!
でも、退任しちゃいましたね。社外営業は得意だが、社内営業が不得手な人は、組織から離脱しなければならないという見本のような人ですね。