レビュー(Amazon.co.jp)
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真家としての驚くべき業績は、自分の心の動きに従う能力と、どの写真にも見られる精神と目の鋭敏なヴィジョンである。彼の被写体はファインダーのなかのイメージの一部にすぎず、その構図もときに幾何学的な正確さで整えられる。また彼の最高の写真の多くには、驚くほど幅広い政治的、社会学的な意味が込められており、それが凡庸な被写体に非凡な威厳を、さらには深遠さをも与えている。『Europeans』にはこうした写真が満載されており、しかもそれらの多くは視覚的にとても込み入っている。たとえば1952年の1枚の写真は堅い大地を耕している貧しい移民を写したものだが、遠景では好況に促されて工場がすでにスモッグのかかった空に煙を吐き出している。これは単に貧しい男の写真でも、工業生産力の写真でも、あるいは両者のコントラストをとらえた写真でもない。写真中央の特色のない人間不在――これも一つの人間存在だ――を通して人生の意味を公然と問いかけたものなのである。この写真集にはもう1点、すばらしい写真がおさめられている。1954年に撮られたもので、ハンサムな兵士が2人の可愛い女性に流し目を送っている。この写真が示すのは、彼らの社会の歴史のなかでもっとも暗い時期でも、モスクワっ子はフェロモンの力から逃れられないということである。
カスタマーレビュー
おすすめ度:
軽くておしゃれな写真集 
(2004-01-14)
ブレッソンは元々絵を書いていて、見たものをより素早く残すために写真を撮るようになったと聞きました。ブレッソンは絞りとピントをほぼ固定で写真を撮っていたというのは本当なのでしょうか。私は写真についてそれほど詳しくはないのですが、彼の写真を見ているとあまりテクニックや機材に頼らず、それでいて絵になる写真が多いという印象を受けました。鉛筆と紙だけを持ち歩いてデッサンするような感覚なのでしょうかね。彼の描いた絵も見てみたいものです。
この写真集は薄いですが意外と見ごたえがあります。軽くておしゃれな写真集なのでプレゼントにもいいかも。が、見開いた状態で右ページにのみ写真が載っていて、左側は写真のタイトルが載っているだけというのは少々物足りない感じがあります。両面に写真を載せてほしいと思う私はやっぱりケチでしょうか?彼の他の写真集を持っている人は買う必要はない本かなあと思います。
い~感じ 
(2001-10-14)
この人の写真集を見るのは初めてだったのですが、買ってよかった!この写真集しかまだ見てないのですが、この人は、被写体の中心になる物が光と陰の境目にくる瞬間を写すのが好きなようで、その一瞬を切り取る力に脱帽。
Cartier-Bresson 入門編 
(2001-03-12)
白黒写真をはじめたばかりの人、テクニックを学びたい人、彼の作品になじみのない人はぜひこの写真集を見て欲しいです。 彼が写真を撮り始めた初期の頃の、初々しい 作品の数々は一見の価値アリです。
すばらしいモノクロ写真集 
(2001-01-17)
ブレッソンがヨーロッパで撮影したスナップ写真集。特に1950年代の写真は構図,被写体ともまるで一枚の絵画のようです。プリントも階調豊かでとても美しく,印刷の紙質もモノクロ写真にふさわしいものです。
great photobook! 
(2000-11-05)
私はこれを父の誕生日プレゼントに買いました。 父の好きな写真家で、きちんと作品を見るのは私は初めてだったのですが、実際送られてきて、見てみて感動!でした。 どれもすごい瞬間をとらえた写真で、カッコいいのから思わず笑顔がこぼれるものまで、どれも白黒できれいに載っています。 見ていて飽きない写真集です。父も大喜びでした。
是非オススメします。