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Chronicles (Chronicles)
Bob Dylan
Simon & Schuster (Paper)

グループ:Book /ランキング:17083
価格:¥ 1,753
発売日:2005-09-13 /通常9~13日以内に発送

レビュー(Book Description)
 「ようやくここまでやってきた。始めは随分惨めな目にもあった。だが、ようやく運命が姿を現そうとしていた。運命が、ほかの誰でもない、自分をまっすぐに見ているような気がした」

   ボブ・ディランが自らの人生や経歴における重大な危機を掘り下げて描いた、注目の本『Chronicles, Volume One』にはそう書かれている。初めてマンハッタンにやってきた1961年ごろのグリニッチビレッジを、読者は、ディランの目と嘘のない心を通して見ることができる。煙まみれのなか夜通し続くパーティー、文学への目覚め、はかない恋、固い友情…ディランにとってのニューヨークは可能性に満ちた魅力的な都市だった。哀調に満ちた言葉は、身を刺されるような辛い思い出でしばし途切れる。『Chronicles, Volume One』は、ニューオーリンズ、ウッドストック、ミネソタ、西の地域での思い出とともに、特別な時代を回想した詳細できわめて私的な記録になっている。

   内面をさらけ出したり、詩的な面を見せたり、情熱的でウィットに富んだ部分を見せたりと、『Chronicles, Volume One』は、ボブ・ディランの哲学と影響力について知ることができる魅惑的な本だ。ディランの声は、寛大な精神に満ち、活動的で奇抜でリズミカルという、きわめてアメリカ的なものといえるだろう。優れた作詞力と繊細な表現力という、彼の音楽で証明済みの類いまれな天賦の才を生かしてディランが書きあげた、自らの人生、そして自身とその芸術的な方向を決定づけるのに影響を与えた人物や場所をめぐる、感動の回想録第1弾。

カスタマーレビュー
おすすめ度:
20世紀後半のビルドゥングス・ロマン  (2008-09-25)
 日本語版の「ボブ・ディラン自伝」は何回も読んでその内容に感激したが、そのうちディラン自身の語り口で読んでみたくてたまらなくなり、本書を手に入れた。読みながらヴィデオやDVDでのディラン自身の語り口やLP,CDの歌いまわしを思い浮かべていると、ディラン自身が語り掛けてくれるようにも思え、より楽しめる。

 この本で読み取れるのは、ディラン自身が自分のキャリアをどうやって作り上げてきたかという「職業の秘密」を、読者にさらけ出してくれている姿だ。五つの章に分かれているが、それらの章は何かが始まっていく契機、自分を違う方向にドライヴさせていく瞬間に焦点を合わせているように読める。その契機毎に、ディランは自分を作り変えていく。子供時代バンドを作り上げては他の人間にメンバーを引き抜かれ続けた時、自分一人で歌い始めた時、フォークソングに没入し始めた時、ウディ・ガスリーの唄に接した時、ニューヨークにやってきた時、以降、自分を揺るがせたり没入させる対象に出会ったとき毎に、ディランは自分を少しずつ変えつづけている。そんな様子は、自分を形成していく一連の物語のように見えるが、決してディラン自身が物語りの筋書きを知っていたわけではなく、そのたびに自分自身を賭け金にしてきたことが、この著書では強調されている。渋谷陽一風に言えば、ディランをロックの神様といって済ませるのはディランを理解しようとしていないし、ディラン自身の真価を無視することに等しい。この著書にあるのは探求心と向上心を持ち、フォークソングの掲げる精神性、強大な後ろ盾の下で思いのままに振舞う連中の側でなく、他の助けや頼みももほとんどもてないままで生きる人たちの側に立つという信条、誰かの言葉で言えば「見えない共和国」といわれるものにに自らを捧げて、何事も理解して表現してやろうとする、何かしら宗教的敬虔さにも似た心の持ちようだ。ディランの周りの人物もとても魅力的で、ウディ・ガスリーもそうだが特にデイヴ・ヴァン・ロンクのたたずまいが魅力的で、デイヴ・ヴァン・ロンク・マニアにもしてくれる1冊だ。

 ディランが自分をどう形成したのか、どんな信条の上に立っているのかが良く理解できる。彼のアルバムと同じくらい大切なアイテムだと思う。

終焉無き旅  (2005-09-13)
綴れ織りのように滑らかに語られる言葉。本書はどこにも「自伝」とは銘打たれていない。文字どおり"Chronicles Vol. 1"である。遍歴?年代記?自伝と解釈してもいいだろう。Dylanによって綴られた言葉の数々は、彼の魂の遍歴をリアルに伝えているのだから。彼の歌のいくつかが生まれる時の精神の軌跡について、あるいは彼の思想的片鱗について、さまざまな人々との会話について、形式や時制を越えて心地よいリズムと自由なスタイルで綴られていく。しかも当然ではあるが彼の思想的、音楽的背景が如何に深遠な知識や才能を背景としているかが驚くほど明確な表現で記されている。自らの根源的かつ人間的なradicalismに基づく究極の反権力的思想を語る行などは深い感銘を受けると同時に、それら表出である彼の歌が永続的な意義を保ち得ていることが、とりもなおなず彼の本質が「詩人」あるいは「歌い手」であることを如実に物語る。Dylanにとっての歌うことの意味とその喪失が自己との対峙のなかでさらなる次元へ昇華されていく過程も息を飲む。今、Dylanが歌う歌はそれらが書かれた時よりも本質的意味を持って我々に届いているのだ。彼が歌い続ける理由が「わたしには歌を伝えることが重要だった」という明解かつ意味深い彼の言葉のなかにみえる。
 Dylanがこの本によって提示してくれた驚くほど誠実な精神の軌跡は彼の歌と同じ次元に位置し、かつ相互にさらなる理解を促す上で必須のものとなった。本書を公表したDylan自身の行為は、彼があたかも求道者の如く続けているライブという行為とそこで歌われる歌と連動させて捉えねばならない。ここには終りも過去もない、結論もいらない文字どおりnever-ending tour (終焉なき旅)へと至る必然が語られている。Bob Dylanという存在が如何に唯一無二であるかをみせつけられる「今を語る自伝」である。

いい本です。  (2005-04-08)
「神の声を聞き続けた男」ボブ・ディランならではこその自伝。

題名から年代別に順を追って「真面目」に書かれている、と思ったら、既に彼のトリックにかかっていた。NYでメジャーレーベルと契約を結ぶ所から始まり、色々な時代を飛び回り、また始まりの時点に結ばれ、終わる。あたかも目の前にある事象のように、様々な記憶が想起され、そこからさらに脱線したジョークがちりばめられるが、本筋は常に見失っていない。おそらく、これこそが彼の実存する精神そのものなのだろう。「人生の真実?それはジョークさ」と鼻歌まじりに言うが、それは、激動の60~70年代を体を張ってトリックスターであり続けた彼だからこそ言える言葉で、それを凡人は鵜呑みにしてはいけし、まちがっても信じてはいけない。それよりも、この本の構成を通して、彼の、芯が太くそれでいて屈託のない精神を疑似体験しようという読み方のほうが、我々並みの人間には良い生き方につながるだろう。

と、力んで書いてしまったが、彼自身はそんなことお構いなしで、今もどこかで歌っているんだろうな・・・。


抜群の面白さ  (2004-12-04)
何と言ってもボブ・ディランの“自伝”なのです。面白くない訳がない。
そのうち翻訳も出るのでしょうが、ファンはまず原書で読んでおきましょう。文章もさほど難しくなく、何より内容が面白いので、スラスラ読めてしまうはずです。
彼の楽曲のように、場面や時間がいきなり飛躍するのも実に“らしい”。基本的にはニューヨークに出てきた頃の話が中心で、間に『NEW MORNING』と『OH MERCY』制作時の話の章があるという構成ですが、芸名の由来、生まれ故郷の話、ボビー・ヴィーのバックでピアノを弾いた時の話など、興味深いエピソードの数々が挿入されています。また風景や人物描写も秀逸で(特に風景などはかなり細かく描かれている箇所も多く、おそらく記憶だけでなく彼の創作も入っているのでしょう)、流石ディラン、と唸らせます。
あとこの作品では、“ラジオ”が重要な役割を果たしています。これは読んでのお楽しみ。

「わざと?」というぐらい粗い紙質も、趣があって自分は好きです。表紙写真も格好良いし(裏表紙は若き日のディラン)、装丁も美しい。ぜひ手に入れて下さい。


ディラン自叙伝  (2004-11-29)
ボブディランの自叙伝である。
60年代の初めにニューヨークに出てきたところから話は始まる。グリニ
ッジビレッジでのカフェホアの舞台裏から始まって、ディランの目で見
た様子が彼の言葉で書かれていて、読者の目の前に見えるようである。
さすがにフォーク歌手/詩人と思った。
彼が言及してるのは、20年代のジャズ、ブルースから戦後のフォーク歌
手、60年代のロックミュージシャン、ビート詩人など、さらにはICE-T
なる近年のヒップホップ歌手まで、かれの音楽の根源に興味ある人には
たまらないのではないか。
ウッドストックやニューオリンズでのいろんなミュージシャンとの交流
も興味あるところである。
Chronicles:Volume oneであるが、twoは出るのだろうか?
彼らしくファンへのカラカイであろうか。



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