Different Seasons (Signet)
Stephen King Signet
グループ:Book /ランキング:4767
価格:¥ 1,178
発売日:1995-01 /通常24時間以内に発送
レビュー(Amazon.co.jp)
4本の中編小説をまとめた「恐怖の四季」の文庫版。本書は秋、冬の2作品を収録。表題作の秋編のプロットをひと言で表現すれば「死体を探しにピクニック気分で2日間の旅に出た4人の少年たちの物語」となる。途中、「誰が見ても」危ない目や「当人にとっては」死にそうな目に遭いながらも旅を続けるうち、普段は見せない弱さや背負っているものを徐々にさらけ出していく。後に映画化されたが、原作の一卵性双生児のようなそのでき映えに、世界中が賛辞を贈った。
「人は何歳であろうと既にそれぞれの人生を背負っている」という当り前のことを、この原作と映画は教えてくれる。岩崎恭子の「今まで生きて?」発言がかつて話題になったのも、「子供への先入観」があったからだろう。
冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」は、どことなくコナン・ドイルの「赤毛連盟」を彷彿とさせる怪しさとゴシックな雰囲気を持っている。作品の舞台はニューヨーク東35ストリート249Bの、とある会員制社交クラブ。ただし、その成り立ちは不明、会費も無料だという。
上司の誘いでそこに足を踏み込んだデイビッドはいくつかの疑問を抱きつつも、しだいにその居心地の良さにのめり込んでいく。珍本かつ傑作ぞろいの書庫、巨大な暖炉、樫の寄せ木張りの床、ビリヤード台、象牙と黒檀を刻んだチェス、トランプ、スコッチ、ブランデー、皮が肉汁で張りつめ湯気をあげるゆでたてのソーセージ、そして会員たちが語る風変わりな体験談。その極めつきはクリスマスの前日、ある老医師が語った、ひとりの若く美しい妊婦をめぐる、奇怪だがロマンチック、しかも心温まる物語だった。モダン・ホラーの騎手がホラーをメインディッシュではなく香辛料として、最小限の描写で最大の効果を上げた意欲作と言える。(中山来太郎)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
映画と映画のメーキングに感動して 
(2008-09-08)
映画もすばらしかったですが、映画のメーキングも、4人のうちの一人が、若くしてなくなったことを知らせてくれています。
死体を見に行こうという話から、生きることの意味を考えさせてくれるかもしれない一冊です。
自分がそうだったので、映画を見てから読まれることをお勧めします。
出版経緯も極めて小説的 
(2007-12-20)
どうしてこんなにうまく小説が書けるのだろうと不思議でしかたなく、何度も読み返すばかり。
収録作はここで改めて触れるまでもなく、世界中で愛される紛れもない傑作だが、巻末に収められた著者による本書の出版経緯の記述、すなわちステレオタイプな世間の見方に負けず、書きたいものを書き、そして数多くの人にその作品が愛されることになったといういきさつも極めて小説的。
映画だけじゃもったいないよ。 
(2006-11-08)
映画を観たことがある人も、ない人も読んで後悔はない。
観たことがある人は映画との違いが楽しめるだろうし、観たことがない人は読み終えたあと、きっと映画を観たくなるだろう。
試写会で映画を観賞したあと、スティーブン・キングは「よく僕の原作をここまで素晴らしいかたちで映像化してくれた」と言って号泣したそうだ。
久しぶりに読み返してみて、その比喩の巧みさにひたすら感動した。わかる、わかると何度ひざを叩いたことか。今更ながら、彼の文章力を痛感した。山田氏の翻訳もきっと素晴らしいのだろう。もし僕がアメリカ人で、原語で読むことができたならば、その世界観を今以上に深く理解できるのかなと想像し、それって信じられないくらいにすごいことだなと思った。だってすべてを理解できない今でもかなり入り込めるし。
小学生の頃、たしかに自分の周りの世界は小さかったが、そのちっぽけな世界の中で、子供ながらにも心が複雑に揺れ動いていたことを思い出させてくれる。そんな小説です。
最高!! 
(2006-09-30)
恐らく、世界最高の友情、青春小説だと思う。
出来事としてはたった2日、それでも彼等を自我ある大人に成長させた2日
それが歴史に名を残す小説家、Sキングの文章力で細部まで描かれている。
この小説には青春物に付き物の陳腐な恋愛などは一切無い。 そこがまた素晴らしい。
青春の香り、友情の儚さ、無力から少なくとも成長した現在の自分。。
ホラー作家である彼が「人間」を描ける。 一芸に通じるものは多芸に通じるという事か。あるいはホラーを描くことは人間を描くのか。 そういったことも考えさせる。
大学生以上の年齢の人に読んでもらいたい作品(それ位の年齢の人ではないと深く理解できないだろう)
心に響く大切な本 
(2006-05-16)
私は中学校の夏に読みました。この本は丁度、子供から大人へと成長していく頃に読むと、更に心に響くものがあるはずです。映画も良いけれど、やはり本で読むべきです。本の方がずっと心に響いてきます。
少年4人は、死体探しに出かけます。しかし、この旅は単なる死体探しではありません。自分探しでもあるのです。一生のうち、もっとも大切な2日間。誰にでも一度はある、少年時代の友情、そして友との訣別。少年時代の輝きは知らず知らずのうちに失われていくものです。でもあのときの友情はずっと心の中に生き続けているはずです。友情を忘れかけている方、そして全ての人に読んで欲しい1冊。