カスタマーレビュー
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あの1文を語らせるために 
(2008-06-02)
作家には「この1文のために」という作品があるようですが、この小説もまさにそう。終盤に出てくる「ギムレットにはまだ早すぎるね」の1文を語るために、チャンドラーは壮大なミステリーと人間模様を構築したのでした。それ以前のストーリーは、この言葉に重みを持たせるための伏線に過ぎません。
マーロウの生き方は非常に男っぽく不器用で、効率優先の現代社会では通用しないでしょう。それだけに、どことなく憧れを抱いてしまうのです。
スーパーマン 
(2008-05-19)
以前からチャンドラーやマーロウの噂は聞いていましたが、読んだのはやっと最近です。
村上版を読む前の予習として、ハヤカワ文庫版を読みました。
ハードボイルドの代表的作品と聞いていましたが、中々の読み応えで面白かったです。
たっぷりと楽しめた本です。
誉める人は大勢いるようですからそこはお任せして、自分なりに感じたコトを書くと、男の子が描く夢を見せられるような本ですね。
周囲と馴染む方法も知らず、自分を正当化しヒーロー視するような人が、喜んで浸る本だと思いました。
家族に囲まれ、でも軽んじられ、お腹が突き出て、小さい家で生活しているお父さんが、孤独を愛するヒーローに成りきり、現実逃避するためにトイレで読んでいそうな本と書けば分かりやすいかな。
お小遣いを貯めてパイプを買ってしまうような(それを使う場所もなくてね)、あるいはデスクの引き出しにウィスキーを隠していそうな、あるいは夜なのにサングラスを外さないのがダンディだと信じている人にとっては、バイブルのような一冊なのでしょう。
時代を超越して、と書けば格好いいけれど、夢ばかり見て現実に向き合えない、と書けばなるほどと思ってしまう、寝癖とヨレヨレの服が似合うアナクロな男達のオアシスのような本だと思いました。
読み終わると、現実って厳しいと思ってしまう本ですね、大人の童話かな。
マーロウのかっこよさ 
(2008-04-08)
チャンドラーは映画の脚本執筆もしていたということなので、
セリフが粋な感じで、読んでいるうちにその状況が
映画のように頭に浮かびました。
とにかくマーロウがかっこよく、描写もオシャレで
ノスタルジックで話に引き込まれて楽しめました。
シャーロック・ホームズのように架空の人物ですが、
実在するような妙な気持にさせられました。
村上春樹訳が出ているが清水俊二訳で十分 
(2008-03-23)
村上春樹訳の「ロング・グッドバイ」が話題になったようだが、私は清水俊二訳のハヤカワ文庫
版の「長いお別れで十分」である。私にとっての表題は「ロング・グッドバイ」ではなく「長い
お別れ」なのだ。確かに今、初めて読む人にとっては、村上の新訳が今風で良いかもしれない
が、昔からのチャンドラー・ファンの者にとっては、清水訳を支持するのではなかろうか。
両者の訳に多少違いがあるようだが、瑣末な問題に過ぎない。昔の作品であるし、時代背景を
考慮すれば、むしろ清水訳の方がノスタルジーがあっていいと思うのだが。つまらいこだわり
かもしれないが、ミステリは文庫がいいのだ。「ロング・グッドバイ」の装丁画もマンガ的で
気に入らない。ま、しかし、村上春樹の新訳が出たことによって、若い読者にチャンドラーの
名作が見直されることになったことは良いことかもしれない。また、いつの日か購入すること
になっても、私は文庫版の「長いお別れ」を選ぶだろう。
何重にも重なった結末 
(2008-03-15)
この作家の作品は初めてだったが フィリップ・マーロウの名前は 聞いていた。
あ〜この作家が生みの親なんだ。
やっと巡り合えたと思った。
ハードボイルドはあまり読むこともなく、この作品もそのジャンルに入るらしいことから、
最後まで読めるかと懸念していた。
が・・・取り越し苦労に終わったし、それどころか結構な厚さの文庫はあっという間に最後
のページにたどり着いた。
単なる殺人事件ではない。男の友情が絡んだ事件。
これが結末か・・いや違う。
本当に奥が深かった。