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The Future of Life
Edward O. Wilson
Abacus

グループ:Book /ランキング:221391
価格:¥ 1,370
発売日:2003-07-03 /通常11~14日以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
環境問題のふたつのジレンマを斬る。  (2005-09-03)
 生物多様性主義の急先鋒エドワード・O・ウィルソンが、生命の未来を憂う。
 著者はまったくの理想主義者かといったらそうじゃない。例えば安全性が保証されれば遺伝子組み換え技術の利用もいとわないこと。財力のあるNGOによって原生林の土地を競売で購入すること。こうした現実的視点に立った提案もある。

 環境問題を話すときには、以下のようなふたつの根本的ジレンマがあると思う。この本ではその答が示唆されている。

 ひとつは「環境か経済か」といったプライオリティ選択のジレンマについて。つまり「地球の遠い将来を見据える」といった長い目か、「今日明日の利益を追求する」という短い目かの問題だ。
 著者が言うには、地球環境を保全することは結果的に経済も潤すことになる。たとえば、生物多様性からベネフィットとなる資源を求めようとするバイオプロスペクティング。米国の国立公園で好熱菌が発見されて莫大な経済的利益がもたらされたらしいが、それも生物多様性が保たれているおかげだ。

 もうひとつのジレンマは、生物が1種や2種絶滅したからといって、大勢には影響ないじゃないかという論だ。自分が選挙で投票したって当選者がかわるわけじゃないという感覚と似たものかも。
 ところが、現実は1種や2種絶滅するどころの話ではないという。「レッドリスト」をもとに計算すれば、21世紀中に哺乳動物の4分の1、鳥類種の8分の1が絶滅する見込みだ。年間の絶滅率でシミュレーションすると最悪の場合1000分の1~100分の1種が絶滅するという。ここまで数字が跳ね上がると、「種の絶滅のひとつやふたつ」といった話ももはや成り立たなくなってくる。

 こんな話をしたところで、ジョージWブッシュライクな人びとは、依然として聞く耳を持たないかもしれない。けれど、環境問題は「なんとなく」関心を持っている人がほとんど(20対80の法則がここでも成り立つ)。そうした「なんとなく」関心を持っている人たちを取り込んで世論をつくっていくためには、やっぱりこうした本の存在を知らしめて、じっくりと読んでもらうことも重要だと思う。


主張もわかるが人間も系の一部では  (2004-01-14)
 著者の環境に対する思いが痛いほど伝わってくる本。たしかに、言っていることもわかるし、その思いに共感もできる。だが、著者のとなえる対策がすべて実現できたとして何がどうなるのだろう。この本を読む限り、著者の望みは、現存するすべての種を保護することにあるようだ。そこにどのような意味があるかをもっとわかりやすく主張できないと、この本はその価値がない。

 宇宙に、太陽に、そして地球にも寿命がある。種の寿命などそれらに比べれば瞬きのようなものだ。滅びない種はない。まあ、確かに恐竜などと比べれば、人間の歴史は短すぎてまだまだ滅びるには忍びない。しかし、何でも闇雲に保護すれば状態がよくなるとも思えない。保護すべきとする種の選択も主観的だ。それに現状は結構うまくいってるのではないか? どのみち地球環境が変動する頃までは種は存在し得ない。この本のような提言が、今後数百年にわたって続く頃が人類の絶頂期かもしれない。なにも現状の種にとって優しい環境が地球にとって優しい環境だというのは独りよがりだ。生命はヒトの存在し得ない環境で発生したのだ。とにかく、あと数百年の間に我々にはもっと知恵がつくのだろうか? 星は4つ。




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