Black House
Stephen King Ballantine Books (Mm)
グループ:Book /ランキング:244726
価格:¥ 751
発売日:2002-04-30 /只今品切れ中
レビュー(Amazon.co.jp)
ウィスコンシン州の美しい町フレンチランディング。だが、町にはその美を損なうものがある。おしゃべりカラス、いかれた老人、錯覚を起こさせる家。そして、町をうろつく「フィッシャーマン」。身の毛もよだつようなその悪鬼は、子どもを誘拐して殺害し、その肉を食べるのだ。保安官は、ある人物の助けを是が非でも必要としていた。男は、元ロサンゼルスの警官で、近くの町で別の連続殺人犯を捕まえた経歴を持っている。
もちろん、ただの警官ではない。彼こそは、スティーヴン・キングとピーター・ストラウブが1984年に発表したファンタジー小説『The Talisman』(邦題『タリスマン』)のヒーロー、ジャック・ソーヤーだ。『The Talisman』で、13歳のジャックは、「テリトリー」と呼ばれるもう1つの世界への苦難の旅を終え、謎に満ちた「タリスマン」を探しだし、宿敵を殺し、自分の母親と、「テリトリー」に存在する母親の分身の命を救う。いまや30代のジャックには、「タリスマン」の記憶はないが、完全に忘れたわけではない。
あの顔が現れ、あの声が聞こえてくると、いつも自分に言い聞かせてきた嘘が彼にはあった。昔あるところに、母親の神経症的な恐怖感がカゼのように伝染する少年がいた。少年は壮大なファンタジーをつくりあげた。それは、やさしい母親と、母親を救出するジャック・ソーヤーの物語だった。物語は完全なフィクションで、16歳になるまで彼はそのことをすっかり忘れていた。それまでは落ち着いた生活を送っていた。そして今、ようやく落ち着いた矢先に、彼は、草原を北に向かって気が狂ったように駆け抜けることになる。あとにまがまがしい足跡と、驚いたガの群れを残して。だが、ことを進めるにあたって取り乱すことはない。
今回ジャックはとつぜん事件に巻き込まれ、「テリトリー」に戻ることになる。フィッシャーマン本人が、切断された子どもの足がついた靴の片方を、ジャックに送りつけてきたのだ。20年間忘れていた友人のスピーディー・パーカーや、その他大勢の変わり者(盲目のDJ、行方不明の子どもの美しい母親、ヘーゲルを信奉しているという暴走族の一員など)に助けられながら、ジャックは、フレンチランディングと「テリトリー」を行き来し、フィッシャーマンと、悪の大御所「アバラ」を追う。クリムゾンの王アバラは、世界の軸の破壊をもくろむ。
『The Talisman』が、1980年代らしさをストレートに描いた神話であったのに対して、『Black House』は、前作以上に豊かで複雑なストーリーになっている。ファンタジーでありながら、チャールズ・ディケンズやエドガー・アラン・ポー、ジャズ、野球、そしてキング自身の「暗黒の塔」伝説を巧妙に絡ませた、ホラー仕立てのミステリーといったところである。『The Talisman』のファンは、頼もしいジャックがいまだ健在であることを実感することになるだろう。同様に、キングとストラウブの執筆スタイルも健在である。むしろ、この20年の間にますます成長している感がある。
カスタマーレビュー
おすすめ度:
20年後に忍び寄る邪悪の連鎖 
(2004-04-20)
「タリスマン」(新潮文庫)で大冒険を繰り広げた主人公。20年後、彼はロサンゼルス市警を35歳という若さで辞職して、ウィスコンシン州の片田舎で隠遁生活を送っていた。彼がこの地でひっそり暮すことも、思えば大きな歯車の一部に組み込まれていたのかも知れない。彼は連続少年少女誘拐殺人事件に否応なしに巻き込まれていくのだ。前作とは異なり、ファンタジー色が薄くなり、モダンホラー・ミステリーという体裁になっている。到るところで伏線が張り巡らされており、下巻でそれらの点がどう線としてつながっていくのか、大変気になるところ。本書から読み出しても、その面白さが半減することはないと思うが、前作「タリスマン」を読んでおくと面白さが倍増するだろう。
「暗黒の塔」のヒント 
(2004-02-11)
スティーヴン・キングとピーター・ストラウブの黄金コンビが17年ぶりによみがえりました。主人公は年はとったがジャック・ソーヤー、前回のキーパーソンもなんとガンスリンガーもどきのファッションで登場となれば、「タりスマン」の続編そのものですが、どっこい今回は少年少女の肉を喰う悪魔が相手であり、ファンタジーとは言ってもホラーの要素が高い作品になっています。しかし、前回同様魅力ある脇役陣に支えられ(狼人間ウルフの”ばっきやろー”が聞けないのは心残りではありますが、盲目のDJヘンリー・ライデンはもう最高!)、怖いながらすばらしいファンタジーに仕上がっています。「タリスマン」を読んでいない読者にも、解説がはいるため何の支障もありません。また、キングフリークの皆さんには、この物語を読むとすばらしい特典が与えられます。スピーディがガンスリンガーの衣装で登場し、「暗黒の塔」に関するさまざまなヒントを与えてくれます。「クリムゾン・キング(深紅の王)」の実体は? 「ビーム」とは? ガンスリンガーの生き残りはローランド一人か? 等々。また、スロー・ミュータント、モノレールのブレインとパトリシアなど懐かしい名前も出てきます。この物語のナビゲーターである魅力的な語り部の口まねをすれば「さて、われらはPowerMac G5に向かっているレビュアーのもとをしばし離れ、書斎の窓より空へと飛び立とう。われらが向かう先は近くの本屋。目的はただ一つ、「暗黒の塔」シリーズの最新刊「Wolves of the Calla」をレビュアーより先に手にいれるため・・・」
キング色濃厚 
(2004-02-10)
相変わらず、脇役がいいです。DJ・ヘンリーには読む人みんな惹かれるのではないでしょうか。「ダークタワー」と深く関連するストーリーだけに、ストラウブとの共作だということを忘れさせるほどキングのにおいが強いです。jazzではなく、ロックンロール、であります。もしまだ「タリスマン」を未読なら、そちらから読み始めて吉。そうするだけの価値がある2作品です。欲を言えば、もう3倍くらい長くてもよかった。(^^ゞ上巻のテンポで最後まで行ってほしかったなあ。
「タリスマン」続編、完結! 
(2004-02-02)
子供たちを喰らう、悪魔の所業を食いとめろ!壮大な暗黒ファンタジー・サーガが迎える、未曾有の大団円。 人目を避けるように、ひっそりと森の奥深くで息をひそめている“黒い家”。連れ去られた子供たちがこの魔性の家に囚われていると確信し、捜索に向かった人々は、幻影の恐怖と牙をむく魔犬の前に次々と返り討ちにあっていく。そして、悪夢の鍵を握る老人の言動……。ジャックの異界への旅の終焉に待ちうけているものは?壮大なる冒険ファンタジーがついに迎える未曾有の大団円!
名作「タリスマン」続編! 
(2004-02-02)
その邪悪な家は、息をひそめて待ち構えている──。
稀代の語り部コンビが20年を経てふたたび贈る、ファンタジー巨編!
LA市警の敏腕刑事ジャックは、辞職してウィスコンシン州の田舎町に移り住もうとしていた。
折しも町では、食人鬼フィッシャーマンによる少年少女誘拐事件が続発。
事件の背後にある不可思議な現象を探るうちに、ジャックは、20年前に母親の命を救うために旅立った異界からの呼び声を聞くことに――。
稀代の語り部コンビが『タリスマン』に次いで贈る畢生のダーク・ファンタジー!