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The Hotel New Hampshire (Ballantine Reader's Circle)
John Irving
Ballantine Books (P)

グループ:Book /ランキング:39982
価格:¥ 1,639
発売日:1997-05 /通常11~14日以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
明日の運命なんて分からない  (2008-12-05)
多彩な内容を含んだ、この物語は、帰納的に、いくつかの太い骨格を持つ。
その太い骨格は複数あるが、どの事をより重点的に感じるかは、読者次第だろう。

私は、人間の運命の不安定性を強く感じた。
それは、個人の生命をも左右する、重大な問題においても、だ。

このウィーンの革命家達は、オペラ座を、二つの大型爆弾で、破壊しようとする。
ここが破壊されると、観客と出演者達の生命は、一瞬にして吹っ飛ぶ。
何ら落度の無い市民が、娯楽としてのオペラに興じている時に。

こんな具合に、個人の運命なんて、一寸先は闇だ。
実際、この物語では、何人かの意外な人が、意外な時に突然死ぬ。

しかし、それでも、人生は捨てたものでは無い。
ホテル・ニューハンプシャーは、二度の失敗を経て、最終段階に差し掛かる。

著者のこれまでの作品の中で、特に希望に満ちている。
寝食を忘れて、読み進んだ。

一方、華麗な翻訳にも、酔った。



長編というより短編集  (2007-02-24)
痛烈なエピソードが満載で、一つ一つのエピソードはそれなりに楽しめましたが、登場人物のキャラクターに一貫性がなく、支離滅裂の印象を受けました。小説に出てくるスランプ時のリリーに対する批判がそのまま当てはまります。全体的なストーリーがありません。特にバーベル上げしか能がなく、精神的な成長もない主人公には落胆させられました。

あらゆる感情を内包した物語  (2007-01-15)
作家の角田光代さんが、「人間のあらゆる感情を内包した小説」と賛嘆していたが、そのとおりだと思う。レズビアン、革命家、障害者などなどひとクセもふたクセもある人々が集まる家族と、その家族の経営するホテル。あらゆる感情とは、喜び、運命にもてあそばれる人間の切なさ、気持ちが届かない哀しみ、哀しみの先にある嬉しさ、憎しみなどなど。描ききれない。こうした人々の関わり合いを、日本の小説の多くは因果関係で書いてしまうが、これは「感情」で結びつけている。村上春樹もそのような書き方をしていた一時期があったと思う(「ダンスダンスダンス」など)。でもスケールの大きさで私はこちらに軍配。やられました。この文庫版は廉価ですが装丁もとても素敵ですし、中味によく合っていると思います。

すごい  (2006-11-20)
 それぞれ問題を抱えた家族、問題がありすぎるホテル、それがさまざまな事件と絡んで進んでいく。
 アーヴィングは以前、とあるインタビューで、「僕は原則として、短い本は書かない」と言っている。「読者が登場人物に感情的に思い入れをもてるように書けないなら、百五十ページの小説を書いていればいいんだ」、と。
 アーヴィングの登場人物は間違いなく魅力的で、ストーリーの展開も、その語り口も巧みだ。くそ長い小説なのに、それでも引き込まれて次々ページをめくってしまうのは、この長さなのに、アーヴィングが一文一文に間違いなく気をつかっているからである。
 ただ、村上春樹訳の「熊を放つ」を読んでしまったためか、若干微妙な訳な感じもしないでもない。

昔のN*Kのラジオドラマで…  (2006-04-18)
『バーで出会った女の子が、あの本みたいに、と言ってた一冊。本にも彼女にも淡い興味を抱いた僕が物語を読み終えたとき、彼女はもう自殺したあとだった。名前も仕事もあの日バーで話してくれたことは全て、彼女が作り出した嘘だと知った。嘘つきも妄想癖も虚言癖も通り越して、自分自身がつくりだした悲劇の設定に殉じてしまった彼女をみんなは悪く言うけれど、ぼくはそうは思わない。ホテルニューハンプシャーみたいに、少なくともあの言葉だけは嘘じゃなかったと思うんだ。』
たしかこんなかんじのありました。



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