カスタマーレビュー
おすすめ度:
ラッキー 
(2006-02-22)
早読みが得意なのですが、読み終えるのに時間がかかってしまいました。テーマが重いのと、だーっと一気に読ませる構成ではなかったからかも。スピード感はなかったけど、後で考えると、それが主人公の心境と読者をシンクロさせる手法だったのかも?と思いました。本文よりも、巻末の Aftermath の方が興味深かったです。本の内容については、きっと他の方々がすでに書いてだろうと思うので、あえてここでは触れないでおきます。
Luckyの意味 
(2004-01-28)
自虐的とさえ思えるほど何度も繰り返される「わたしレイプされた」という言葉。
消してしまいたいのに、なかったことにできない経験。
本人にしかわからない苦悩。
私だって、家族や友人がそんな目に遭ったと知ったら、どんなふうに接してよいのかわからない。
そして心の中で思う。
「こんな目に遭ったのが、自分でなくてよかった」と。
アリスの家庭が崩壊してゆくさまは、『ラブリーボーン』の比ではない。
あれはいくら実体験を元に書かれたとはいえ、所詮フィクションだと痛感せざるを得ない。
主人公スージーのやさしさと情愛に満ちた家族へのまなざしに、救いを感じながら読めるからだ。
『ラッキー』では、自分がアルコールとドラッグにおぼれてゆくさまも克明に書かれている。
何よりセカンドレイプにさらされる日々の辛さは、そうでもしなければ生きていけないほど筆舌に尽くしがたいものだった。
特に裁判でしつこくアリスを問い質すパケット弁護士には、こちらも吐き気を覚えた。
よくこんな裁判を乗り切れたものだと感心する。
ところが、これだけでは終わらなかった。
ルームメイトのリラに、同じ災難が降りかかったのだ。
アリスは友人だけでなく、さまざまなものを失ってしまう。
この方が打撃が大きかった。
「レイプされたとき、処女だけでなく、人生もほとんど奪われてしまった。
世のなかがどう動き、自分がどのくらい安全なのかについて抱いていたある仮定も捨てた」
こんな心境になるような事態を、私は想像もできない。
それでもアリスは再生した。
「あれから時間がたったいま、わたしは二つの真実が共存する世界に生きている。
地獄も希望も自分の手のひらにある世界に」
アリスとともに傷つき、苦しみ、再生を感じてほしい本である。
心の深淵へ 
(2002-12-28)
著者の実体験を綴った半生記。
rapeされているのに,なぜ,自ら服を脱いでしまうのか。なぜ,言われるままに体を開いてしまうのか。なぜ,言われるままにキスをしてしまうのか。
傷を癒さない家族の言葉,精神科医の言葉。
そして,裁判。(小説や映画に描かれた虚構の裁判ではなく,本物の裁判!)
rape後の初めてのセックス。
友だちもまたrapeされて…
悪夢。ヘロインへの耽溺。
rapeがいかに心を踏みにじるのかということを,わかっている人はどれだけいるのだろうか…
心の奥深くをかいま見,感じることができる,深く,重い本です。
現実とは? 
(2002-12-11)
ノンフィクション。レイプからの立ち直り記といってしまえばそれだけですが、現実のレイプはその間もその後も自分自身で乗り越えなければならないことが山ほど有り、映画やドラマのようにあっという間に裁判にはならず、服をひろってまた身に着け、なぐられて腫れた顔のまま歩いて帰り、長々とつづく病院での検査や警察での事情聴取をうけ、またどこかであいつにあうのでは、という恐怖を引きずるものなんだと筆者は知らせます。最初はか弱い主人公(筆者自身です)が「もしあなたをつかまえたら」という詞を発表してから、犠牲者ではあっても被害者ではない強さを持ち、裁判での証言では芯の強さをみせます。解決は単なる解決にはあらず、え、大丈夫?というその後の経過もついてます。巻末に読書グループへの問題提起ガイドもあります。おすすめ。読むべき。