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人類は病気を如何に表象してきたか 
(2006-01-25)
昨年亡くなった、スーザン・ソンタグの、病気とその比喩の社会的意味連関に関する有名な論考。ロマン主義の時代には、ラ・ボエームのミミやショパンに見られるように、肺結核が「洗練」や「繊細」の表象として機能していたが、癌は「侵略」するものとして表象されていた。前者はやがて白血病に取って代わられた。ナチスは、帝国から「癌」を一掃することに心血を注いだ。現代では、グローバル化の到来とともに、疾病や病気を特定の文化や民族と結びつける表象は機能しえない。全てが、発生とともに直ちに世界全体の問題として認識される。ソンタグは、エイズや環境問題を、この文脈で論じているが、今ならさしずめテロリズムもそれに加えたいところだ。一種の、表象文化論であり、一読に値する。英語は概ね平易だが、非常に長い挿入句が多い、典型的なアカデミック英語なので、やや意味の取りにくいところもある。しかし、全く難解ではない。2度、3度と読み直せば、そのたびに新しい発見をもたらしてくれるであろうし、受験生なども読むと良いと思う。