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次の世界への架け橋 
(2008-08-25)
Yale大学で教鞭をとるJames Gustave Speth氏による環境の視点を通した経済、政治、社会への将来展望。考えさせられる一冊です。「次の世界への架け橋」を探る考察であり50年先の世界を考えてみたい方々に専門や職業を問わずお薦めできる本です。人類の経済活動は地球環境・生態系に甚大な影響を及ぼしており、「現在の世界」は地球環境・生態系と持続可能な関係が築けていない。徐々に普及してきた様々な環境保護政策、市場機能を活用した排出権取引や環境税等の経済政策は有効ではあるがこれら対処療法には限界があり、「現在の世界」は最終的には根本的な転換が必要である。負の外部性を制限するための政府の更なる介入、経済成長と豊かさについての議論、GDPに代わる豊かさの指標(GPI: Genuine Progress IndicatorやHPI: Happy Planet Index)の必要性、消費社会への批判、共有や受託責任を尊ぶ意識改革、Stakeholder重視の企業の将来像、そして市民参加型民主主義とコスモポリタンの共存の可能性。後半は理想主義的で明確な結論のない話が増えてしまいますが、現在の議論が課題に追い着いていない証拠でしょうか。人類が環境・生態系を十分に理解しておらず、環境問題が過去様々な文明を滅ぼしてきている歴史から考えると、「現在の世界」は著者の言うように確かに危機的状況にあるのでしょう。架け橋を探る挑戦にはより多くの参加者が必要です。