レビュー(Book Description)
フランシス・フクヤマの対イラク戦争の批判は、ブッシュ政権の内外にある新保守派の友人との不和を招いた。彼は本書で、イラク侵入を決めたことで、ブッシュ政権がいかにアメリカの外交政策の世話役的な責務を果たすのに失敗したかを説明する。第一に、ブッシュ政権は外交政策の中心に防止的な戦争をおくという過ちをおかした。さらに、「慈善の覇権」の行使に対する世界の反応についての判断をひどく誤った。そして最後に、大規模の社会的エンジニアリングにともなう困難をきちんと見極めることに失敗し、イラクに安定した民主主義政府を設立することにともなう困難を大幅に過小評価した。フクヤマはブッシュ政権の批評家たちの「大統領の最初の任期の外交政策を決定付けたのは新保守派だ」という議論を検討する。1930年代からの新保守派のさまざまな分派の興味深い歴史を振り返りながら、フクヤマは新保守派運動の遺産は複雑なもので、冷戦時代の終わりの後とは違った解釈が可能であると主張する。9月11日のテロ事件への対応に際してのブッシュ政権の誤算を分析しつつ、フクヤマは、そうした間違いを避けるためにアメリカの外交政策に新しいアプローチを提案する。それは、新保守派の遺産のポジティブな側面に、アメリカの権力を世界中で行使するやり方に関するより現実的な見方を取り入れるというものだ。
カスタマーレビュー
おすすめ度:
provocative 
(2006-06-20)
Fukuyama aims to find out the mess behind the declining American power. He has some interesting thoughts on the issue, but at the same time, he is so ideological on issues that demand more realistic thoughts. For this, this book is not that interesting. Actually, what is happening inside the US has global dimensions, as the global economic map is being altered by the emergence of some late developers like China and India. A far more insightful book on this vast shift of power is this: China's global reach: markets, multinationals, and globalization by a Chinese journalist/consultant George Zhibin Gu.
現代アメリカ政治学史のUpdateに最適では 
(2006-05-14)
今から20年以上も前に大学で政治学を専攻していたものとしては「空白の20年間」を埋めるコンパクトな良書との感を抱いた。冷戦時代終焉真際の「相互依存」を暑く語られていた今はなき鴨教授(早稲田大学助教授からYale大学を経て東大教授)が、現代の国際社会を見ていたら何と言われたであろうかとの思いを抱くのは私だけではないはずだ。
口絵の写真を見てマミヤ67が欲しくなった 
(2006-04-16)
『歴史の終わり』のフランシス・フクヤマがPost September 11のアメリカの外交政策について、特に同盟関係にあると思われたNeoconsに対して批判を加えたというので読んでみることに。
フクヤマによると、アメリカにはネオコン(neoconservatives)を含めて4つの外交政策の流れがあるという。それはキッシンジャーの伝統を受け継ぐ現実主義者(realists)、リベラルな国際主義者(Internationalist)、好戦的な米国ナショナリスト(Jacksonian)だという。そしてフクヤマは「現実的なウィルソン主義」こそがよりよい選択ではないかと提言する。
具体的にはアメリカの価値観を積極的に世界中に広めようとするbenevolent hegemonyが必要だという。
まあ、ふーん、みたいな感じですかね。