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Powers (Annals of the Western Shore)
Ursula K. Le Guin
Harcourt Childrens Books (J)

グループ:Book /ランキング:58284
価格:¥ 1,668
発売日:2007-09 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
人の人としての尊厳への目覚め?  (2007-12-07)
 もともとは自由民として生まれながら、幼いときにさらわれて奴隷となったGavirが主人公の物語です。
 奴隷として苦しいことつらいこともありながらも、つつましい性格の主人公は奴隷としての暮らしに疑問を持っていませんでした。
 そんな主人公が、姉Salloの不幸な死が引きがねとなって出奔し、様々なところを転々としながら、人間としての尊厳について考えさせられ、
自分探しと自立をしていく成長物語であるように、私には感じられました。 

 私が興味深く感じたことは、ここでのseerが、ハリーポッターにおけるseerとは微妙に異なる位置づけをされていたことです。
 当たり前といえば当たり前ですが、作者変われば品変わる(?)ですね。

 最後に、3部作の主人公たちが出そろいますが、ほんの少しだけなので、この巻から先に読み始めても困らないと思います。
 Gifts, Voices, Powersの3部作を通して、作者のliteratureに対する深い愛情を感じました。

追伸:(Powersは、とても登場人物が多くて、読んでいて混乱しそうになります。メモをとりながら読むことをお勧めします。)




ル=グイン健在!  (2007-11-30)
Gifts,Voicesと続いた「西の果ての年代記」3部作の完結編。でも、この3作は互いに緩くつながっているものの独立した話なので、どういう順番で読んでも構いません。私自身のお勧めはVoices -> Powers -> Giftsという順番でしょうか。それはともかく、今回はCITY STATESなる地方のEtraという都市(ルグインお手製の地図を参照しましょう)からスタート。「教育を受けた奴隷」のGavが主人公で、奴隷制度下での少年の成長が描かれます。
この3部作では主人公たちは共通して不思議な力に関わっていますけれども、その力は人間に使いこなすのは難しいし、往々にして人が振り回される種類の力です。主人公たちはその力を使いこなして成長するのではなく、その力とは別に詩や物語を「読むこと」/「詠むこと」/「書くこと」で身を立てて行こうとします。Voicesのレビューでも書きましたが、これが「魔法の剣の一振り」で物事が解決する現代ファンタジーを批判するル=グイン流の姿勢であることは確かです。
前作Voicesには泥沼化しているイラク戦争の影を感じさせましたが、今回の作品では1960年代から70年代のカウンターカルチャーの残響を聴き取ることも可能かもしれません。しかし、そんなことは考えずとも、ル=グインの心地良い文体に乗って主人公のGavと共に様々な人物と様々なコミュニティや社会を見聞きしながら、この物語世界を遍歴するのは大変に楽しい体験でした。是非、Gavと一緒にページをめくっていってください。そんな中で、Voicesの登場人物たちにも再び出会うことでしょう。いつ出会うのかはネタばれなので書けませんが大丈夫、どこかで必ず出会います。




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