カスタマーレビュー
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誰のための本なのか・・・ 
(2008-08-30)
この本の論理は、以下のとおりだ。
成果主義とは給与が成果と明確に連動するシステムである。
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そのようなシステムでは意図的な怠業・協働精神の欠如などの弊害が発生する。
それは心理学の実験などでも実証済である。
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だから成果主義は日本の年功序列型システムすなわち給与が成果と無関係なシステムと比較すると、組織全体としてのアウトプットは結局低くなってしまう。
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よって最も望ましいのは、実は年功序列型システムである。
というものである。確かにこれは論理が通っている。
だが、筆者は一つ大事な前提を書いていない。おそらくわざと外しているのだろう。
それは、上の議論は全てにおいて組織の利益>個人の利益という前提で書かれているということだ。確かに技能の継承など年功序列型システムのほうが勝る部分は確かにある。だが、各個人の利益はどうなるかと言う点については基本的に記述がないのである。本当に最も望ましいシステムと言うなら、組織と個人の利益が共に最大化されるシステムこそ年功序列型システムであるという議論になって然るべきだが、本書では前者しか証明されていない。
確かに日本は、組織の利益が個人の利益より大事という伝統的価値観があり、年功序列制度が作られ、高度経済成長期においてはそれが甚大な威力を発揮した。だがそれが崩壊し始めている現在、つまり組織の利益よりも個人の利益を重視する人間が増えたなら、このシステムは機能しないはずである。
そのような点を考慮すれば、この本は誰に向けて書かれたのだろうか。
経営者にとっては、本書を鵜呑みにすれば組織の利益ばかりを優先する傲慢な経営になってしまう。一般の労働者は、組織の利益が一番とされる論旨に古いものを感じてしまう。
この両者にとって利益が無い本だとすれば、一体これは誰に向けて書かれた本なのだろうか。
それが良く分からないため、星一つ。
是非、成果主義を薦める本と一緒に読んでください! 
(2008-07-20)
成果主義というのは人のことを考えなくてもいいシステム(日本的給与体系と比較して)となっているので、やはり運用が命となるということを実感しました。
この意見に納得できない人は、是非これを読んでみるといいと思います。どちらがいいかはともかく、日本的給与体系≠『完全』年功序列では無いことが理解できると思います。
ただ、給与体系関連のみならず、あるべきリーダー像といった、一見関係がなさそうないろいろな部分に話が飛んでいたため、それで少し一貫性が無いかなと思います。
(運用が命ということを考えると、関係ないわけではないんですけど・・・)
あと、成果主義の欠点のみではなく、日本の給料体系や給料に対する経営(学)者の意見の移り変わりに関しても書かれている本なので、そういう視点から、経営学の緒論の入門としても役に立つかもしれません。
素晴らしい内容です 
(2008-07-05)
著者は特に文章能力に長けていると感じた。
堅苦しくなりがちな内容であるにもかかわらず
最後まで読者を飽きさせることなく書かれている。
他の人のレビューにもあったが、丹念に作られた著書だ。
時間をかけて吟味された文章であることがうかがえる。
個人的には強引で独善的かつ飛躍的な論理の展開も感じたが
専門的な学術書ではないのでよしとしよう。
本質を突く良書 
(2008-05-19)
著者が指摘するように、経営にはブームがある。
正しいか正しくないかを見抜けない経営者は、浮き草のように流される。
私が勤める会社でもご多分に漏れず、ROE、時価会計、シェアードサービス、
コンプライアンス、成果主義…等々、完全にブームに乗ってきた。
どれもひっそりと消えたが、成果主義だけは"実害"を残してまだ蔓延っている。
社員間の雰囲気が悪くなり、特に有能な人の士気が下がっている。
成果を残せない人が会社にしがみつき、優秀な人が辞めていく。
真に成果主義を謳うなら、必然的に億単位の報酬まで用意すべきであろう。
1千万、2千万の世界で数字を合わせをしていては、単なる人件費削減である。
成果主義導入に失望し、真っ先に辞めた超優秀な友人が、
「こんな端金欲しさに、頑張ったんじゃない」と言っていたが、
成果を上げて、それなりの報酬を得た人にも虚しさがつきまとうなら、害悪そのものである。
本書にあるように、「頑張った人には仕事の面白さで報いるべき」だ。
「人は人の評価を正確にはできない」という前提で、人事制度を構築しなくてはならない。
本書は、目の覚める良書である。
一度は目を通す必要のある本。 
(2008-05-16)
社員の動機付けやパフォーマンスと賃金体系について書かれた本です。
成果主義と能力主義をきちんと区別して、過去の科学的な実験や事例をもとに話を進めています。
賃金体系を考える上で、必ず一読するべき一冊です。
個人的には筆者の意見は正しく自分もそれを実践していきたいと思いました。
たとえば、高い賃金と離職率の部分や、社員の生活の成長曲線に合わせた賃金体系については、それが実現できれば本当に良いと感じました。
特に報酬=金ではない事をたびたび語っていますが、これは近年はやりのESの考え方と同じで、誰にも理解しやすく妥当な意見だと思いました。
しかし、熾烈な競争環境では通用しない「働く人にやさしい話」という印象ものこり、「これで本当に大丈夫?」と感じる部分も多々ありました。
私は賃金体系については、一冊本では絶対完結できないと思っていますが、この本は答えの一部と思って読みました。
初めて読んでからずいぶん経ちますが、今でもたまに目を通しています。