カスタマーレビュー
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壮大な知的冒険 
(2008-04-20)
なぜユーラシア大陸の文明が栄え、アメリカ大陸(ネイティブアメリカン)の文明を滅ぼしたのか。
そのキーワードとなるのが銃・病原菌・鉄である。
ではなぜユーラシア大陸でそれらが発展し、アメリカ大陸では独自に発展しなかったのか。
本書ではその理由を大胆な仮説で爽快に示している。
その理由はいわれてみればたしかにそうだなとうなずけるものであるし、実際、なんとなく
その理由を感じ取っていた人も少なくないと思う。ではなぜこの本が魅力的なのか。
著者は専門分野にとらわれない幅広い教養を持っている。その学際的な知識が絶妙に
絡み合い、人類の長い歴史を描いていく様子がとてもエキサイティングなのだ。
これからの学問は学際的な知識が必要とされていると言われている。
この本こそまさにそれであり、新しい時代を切り開く良書である。
適応の結果 
(2008-04-10)
民族が受けてきた環境や影響が文明を決定する。よく覚えておきたいです。どこぞの神に愛されたとか人種優劣論何かのせいにしないように気をつけたいです。
マクロ的な影響は選べないにしても、ミクロ的な影響は自分で選んでゆきたいです。
文明の進化の要因を探る 
(2008-03-27)
ヨーロッパ人がアメリカ先住民を征服できたのは、ヨーロッパ文明が強くアメリカ先住民文明が弱かったからです。そしてヨーロッパ文明の強さの象徴が『銃・病原菌・鉄』です。
そして本書では、何故ヨーロッパが強く、アメリカ先住民が弱かったのかを分析しています。
そのロジックはただ一つ、より適したモノが生き残り増殖するという『ダーウィンの進化論』です。
著者はユーラシアが有利で、アメリカやアフリカが不利な条件を抜き出していきます。
その理由として、
0.文明が発達するには一定以上の人口の量と密度が必要であり、それらを確保するには食物生産が必要である。
しかし
1.ユーラシアには栽培に有利な野生の食物が沢山あったが、アメリカには少なかった。
2.ユーラシアには家畜にしやすい野生の動物が居たが、アメリカには少なかった(先住民が食い尽くした)。
3.東西に伸びているユーラシアは緯度に違いが少なく、気候が同じだったので食物や文明の交流が活発だったが、アメリカは南北に伸びているので気候の変動が大きく砂漠などにさえぎられて交流が少なかった。
このためアメリカ先住民の文明はユーラシアより数千年遅れを取ったというのが、著者の主張です。
これらがどのように文明に作用したのかを事細かにシミュレーションしています。
ダーウィンの進化論は『確率論』に根ざしており極めて汎用性が高い理論なので、種の進化にも、文明の進化にも、技術の進歩にも、企業の経済活動にも、応用できます。
そして本著は、その進化論が実際どのように働くかを知ることが出来ます。
人類の歴史を解き明かす書 
(2008-03-15)
本書は、ユーラシア、アフリカ、アメリカ、オーストラリアと言ったそれぞれの大陸で発展してきた文化、文明に大きなレベルの差を生み出した原因を追及しようとした力作。
著者が本書を書くきっかけになったのは、ニューギニア人のヤリが著者に問いかけた、
「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」
という質問である。
著者はこの質問に対する解として、
・銃
・病原菌
・鉄
が、現在に於いても、「発展途上国」と分類されている人たちの人類史に大きな影響を与えたと言う。
上巻ではそのうち、食料生産と農耕が、大陸によりどのように異なる歴史を持っていたのかを解明している。
ここでは、食料生産の多寡が、現代に於ける、「持てるものと、持たざるもの」を分けた大きな理由であるという事が言われているが、その食料についても、緯度の違いによる環境の差が収穫出来る食物の種類や量を、ここまで決定づけているとは、本書を読むまで全く知らなかった。
科学者の見た人類史 
(2008-01-21)
科学者(進化生物学者)の見た人類史です。
シャーレの中のバクテリアの増殖に向ける視線で、人類の移動や進化について書いています。
アレキサンダー、エジソンなどという固有名詞つきの英雄、天才を軽視した歴史。
歴史は必然と偶然の積み重ねで進歩してきた事実に過ぎないことを美しく書いています。
子供の頃の私は、歴史の授業が苦手でした。
教科書はまったくアカデミックでない「英雄列伝」だし、
歴史好きと称する人の多くは「英雄好き」「戦争好き」のマッチョ思想の持ち主か、
雰囲気が好きという「オシャレさん」でしょ? という偏見があったのかもしれません。
そんなものは武道や道徳や美術の時間にやっていただきたかった。
脱線しましたが、こういう科学歴史なら歓迎です。
文明国が非文明国を滅ぼすに至った要因=病原菌であること、
発明は必要の母、であることなど、
衝撃的な事実を知れたことがとても楽しく、そしてまた、
これから先の未来もどうなるかわからないなぁ、という壮大なロマンも感じられ、素敵です。