一式陸攻雷撃記―海軍七六一空の死闘 (光人社NF文庫)
井上 昌巳 光人社
グループ:Book /ランキング:139606
価格:¥ 700
発売日:2008-07 /通常24時間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
ワンショット・ライター 
(2005-02-21)
海軍の主力攻撃機であった一式陸上攻撃機(七六一空)の搭乗員であった井上昌巳 元上飛曹(甲飛8期)の自伝です。前半部分は鹿屋基地での猛訓練から前線のテニアンへ派遣され、敵機動部隊との交戦の様子が綴られています。陸攻が敵機動部隊へ接近し、熾烈な対空砲火をくぐり抜け、魚雷投下!魚雷命中!敵空母撃沈!・・・を夢見て猛訓練を重ねた搭乗員たちは、そのほとんどが魚雷を投下する前に撃墜されるという壮烈な戦いの渦中にいました。文中の編成表を参照してもその未帰還機の多さに絶句してしまいます。
数年もの長期にわたって訓練が必要とされる搭乗員が、まるで木の葉が散るように未帰還となっていきます。一機あたり操縦、偵察、電信、搭整、攻撃の5名もの尊い命です。ひとりひとり人生があり、家族もあろうというのに。非力なエンジンをカバーする為、防御性能を極端に省く設計思想そのものが許せませんね。それでも彼らは敵に向かって行ったんですよね・・・。
さて、中盤~後半のものがたりは、あいつぐ未帰還機によって飛ばす飛行機さえなくなります。さらに進出してきた敵機動部隊によってテニアンが危機に陥ります。本書の題名とは裏腹にこちらの「陸戦」部分の方がメインとなっているような印象です。敵の爆撃や艦砲射撃から、上陸まで生々しく描写され、掃討部隊から逃れるべく島内を行動する様子は緊張感たっぷりです。この上陸部隊から逃れるべく、井上一飛曹は泳いで10キロ離れた無人島へ向かいます。その結末とは・・・。
壮絶な戦い。 
(2004-02-10)
日本軍はもともと重爆や中爆の使い方が独特であった。それは魚雷を抱いて雷撃をするという使い方である、しかしVT信管なるものが開発されてから戦果が上がらなくなってきた、一式は翼を燃料タンクにするというインテグラルタンクで航続距離を稼いでいたのだが、これは発火しやすく、正確な対空砲火が災いして動きがのろいこのような爆撃機はもはや対艦任務には向かなくなってきた、そんな中、果敢に雷撃を遂行したのがこの本の主人公であり著者である。しかし無念かな、2回目の攻撃任務時に機体が壊れてしまったそうだ、そしてそれからは地獄の日々、洞窟を求めてさまよう生活が書かれている。本当に戦争は怖いことだ。