カスタマーレビュー
おすすめ度:
何事もまっすぐということだけが他人の心を動かす 
(2008-11-20)
石田徹也が生きていたとしても、彼を世に知らしめたのは日本人ではなかったと思います。
「幸せすぎて絵が描けない」と付き合っていた彼女に別れを告げ、
「良い絵が描けなくなる」と両親の支援を断る。
高い絵の具を買う為に深夜アルバイトをして切り詰めた生活を送りながら、
精力的に創作活動に励み残した作品は約180点。
ご両親が供養にと出版された僅かな初版は売り切れ、今では二万部をこえるベストセラーとなっています。
ただまっすぐに絵と向き合った画家、石田徹也。
無意味なキャラクターが大手を振る日本の現代美術のなかで、僕たちがもっと早く彼に追いつければ
「死んだから〜」なんていう人はいなかったはず。
何だか、なぁ… 
(2008-04-26)
作品よりもカスタマーレビューから自虐的な日本人像とそのネガティブな精神性をひしひし感じる。 作者がすでに故人だからだろうか? 一度観たら忘れない(それだけで芸術なんだろな)奇異で饒舌な作品群を気持ち良くとは言えないが面白く観賞した。 一貫してるのは潔癖的な透明感と実在感の薄さだろうか。 自分がどう感じるか試してみるのも面白い観方かもしれない。
生きる悲しみに満ちた画集 
(2007-11-14)
今の生き難い時代には、この画集を見た多くの人が共感できるのではないでしょうか。石田さんの絵に共通するテーマは「生きる悲しみ」だと私は思います。
それぞれの絵から感じられるものは、自己嫌悪であったり、劣等感であったり、不安であったり、挫折感であったりします。そのような負の感情に共感できる人は、これらの絵を見ることで慰められ、勇気付けられることでしょう。
石田さんが画家として「生きる悲しみ」の表現に成功したということを、この画集は証明していると私は思います。
妥協なき意思 
(2007-09-25)
石井さんのことを知ったのは、まだご本人が活動されていた時、たまたま広告業界を扱うテレビ
番組で作品を見たときだ。
そのとき「こんな絵を描ける人がいるのか!」と、驚き・畏怖・不安が混ぜこぜになった大きな
感情の波が押し寄せた。
この人の絵を見るたびに、二面性を感じ取る。
世界を斜め上から俯瞰しているような外からの目線と、孤独感・無力感などの暗く満たされたい
感情を、自虐嗜好なんじゃないかと疑いたくなるほど徹底してさらけ出す、内からの目線だ。
彼の作品は、見る者に強烈なメッセージを送り続ける。
過激な構成とは反対に、冷静なタッチであるがゆえ、更に加速度をまして見る者を襲い続ける。
見たくない自分の中のマイナスの思いを、一片ずつ拾い上げて目の前で見せ付けられるような
気がするのだ。そして、思わず目を背けたくなる。
屈折したユーモア 
(2007-09-23)
描かれている人物は作者自身、つまり自画像である。
そのどれもが一様に、もの哀しげな、途方に暮れたような表情をしている。そしてその表情のままでガラクタ飛行機の中に嵌り込んだり、タイヤや便器や学校の校舎と一体化したりしている。その姿はうら寂しく滑稽。画集全体に屈折したユーモアが漂っている。
作者・石田 徹也が抱えていた出口のない閉塞感、孤独感が、痛々しいほどに強く伝わってくる。
どの絵も観る者を強く惹きつけずにはいない、1度目にしたら忘れられない絵ばかりである。