カスタマーレビュー
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人間の砦 
(2008-10-28)
ホロコーストを経験した精神科医、フランクル博士の手記。
冒頭の「解説」と末尾につけられた図録は目を覆いたくなるような歴史の記録だが、本文は囚人となった博士の心の動きが中心なので、読みすすめるのはそうむずかしくない。
読後感も重苦しくなく、爽やかでさえある。
読み返すたび、心の成長(仮に前にすすんでいるとすれば)に合わせてかならず新しい発見がある。初めての本をひも解くような新鮮さ。
極限状態で人間を「人間」としてひきとめる最後の砦は、やはり家族を愛する気持ちや、夕日を美しいと感じる心なのだ。
平和で穏やかな、情報が洪水のようにあふれる国に暮らしていると、うっかりそれらを絵空事だと考えそうになる。
だから自分を戒めるために、おばちゃんになってもおばあちゃんになっても、何度でも繰り返しこの本を読んで、居場所をたしかめることにしようと思う。
人間は環境によって決定されない、どんな困難の中でも人は自分の有り方を選びとることができる 
(2008-09-13)
この本は、「強制収容所における苦悩」から哲学的真理を導き出している。「元来精神的に高い生活をしていた感じ易い人間は、・・収容所生活のかくも困難な外的状況を・・・彼らの精神生活にとってそれほど破滅的には体験しなかった。・・恐ろしい周囲の世界から精神の自由と内的な豊かさへと逃れる道が開かれていたからである。P.121」「人が強制収容所の人間から一切をとり得るかもしれないが、・・与えられた事態にある態度をとりうる人間の最後の自由、をとることはできない・・p.166」「一人の人間がどんなに彼の避けられ得ない運命とそれが彼に課する苦悩とを自らに引き受けるかというやり方のなかに、・・どんな困難の状況にあってもなお、・・生命を有意義に形づくる豊かな可能性が開かれているp.168」「人生から何をまだわれわれは期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。p.183」といった私達個々人の生への励ましの言葉が連ねられている、希望の書。
全人類が知っておくべき史実 
(2008-08-07)
すばらしいドキュメンタリー書であることは疑う余地もないが、個人的にはもう少し読みやすい翻訳にしてほしかった。
著者が心理学者だから仕方ないのかな・・・
人間として生まれたならば。 
(2008-05-11)
何年も前に出会い、いまでも宝石のように感じ続けている1冊。
第二次世界大戦後に、人間としてこの世に生まれたならば、
人生の終わりまでに、いちどは読むべき。
大袈裟なススメ方かもしれないが、本気でそう思っている。
人を殺さずに生きてこられた奇跡 
(2008-01-17)
鬼畜のようなドイツ兵の中にも、故郷では人々から尊敬されていた人物もいたことには驚かされます。
他にも虐殺をした者の中には自分のように平凡な人間も大勢いた。
そう考えると、もし自分があの時代にドイツ人として生まれていたら、
処刑所でユダヤ人の後頭部を狙い撃っていたとしても不思議ではありません。
これまでの人生を振り返って、弟に八つ当たりをしたこと、虫をわざと殺したこと、
あるいは、悲惨なニュースを見て怒りを感じながらも少しスリルを感じたことまで、
後ろめたい経験が全くない人はいないのじゃないでしょうか。
それは、誰でも悪を開花させる種を持っているという証拠です。
僕たちは殺人事件をニュースで知ったとき、殺人者を自分とは違う人間と考えがちです。
でも、あいつは何故そんなひどいことが出来るのだろう?で終わってしまうのではなく、
何故自分は今まで人を殺さずに生きてこられたのだろう?と考える必要もあると思います。
そして、自分の中にある悪を見つめることら真の平和がスタートするのではないかと思うのです。
ヒムラーはあれだけの虐殺をしたにもかかわらず、自分を神話の英雄と重ねていたという説がありますが、
自分の中の悪から目を背け続けた人間の成れの果てではないのでしょうか。