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今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社文庫)
岡本 太郎
光文社

グループ:Book /ランキング:8720
価格:¥ 520
発売日:1999-03 /通常24時間以内に発送

レビュー(Amazon.co.jp)
芸術家の書く文章の魅力は、何と言っても彼らの創造の秘密をのぞかせてくれることだ。「芸術は爆発だ」であまりに有名な岡本太郎による本書もその例に漏れない。本書は、美術、歴史、民族学など広範な知識を駆使し、論理的に展開しているが、創作者の実体験に基づく論述だけに退屈させない。また全編を貫く著者の芸術に対する深い信念が文章に勢いを与え、読者を魅了する。
前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失われた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければならない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。1974年に刊行された初版の序では、著者自らが芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと言っている。芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求だからである。
復刻版では横尾忠則が序文を、赤瀬川原平が解説を書いている。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもあり、「謙虚は卑屈」と断罪する日本文化論でもある。しかし何よりも、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る、本人による「岡本太郎論」と言える。(林ゆき)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
輝いてますか?ということ。  (2008-09-27)
 
 本書を読んでまず驚くのはその「明快さ」だ。

 岡本太郎というと、なにか話の通じないおかしな人という印象があるが、
僕たちが記憶している像は、あれは完全なポーズだったのではないかと思える。

全体としては、なぜ「ぼくらも芸術すべきなのか」
について言及した本。

社会論や文化論、児童心理学、絵画教育についてはやはり多少の古さや
こじつけを感じるが、論理を邪魔するものではないし、読むべきはそこではない。

「芸術する覚悟」

気概を持って創作していた岡本太郎というひとを知るのに良い本。
彼の姿勢は純粋ですがすがしい。
今(2008年)から50年も前に社会に対して
コレだけの威を張れるのは彼だけだっただろう。

ただ、僕も長年絵を描いて、現在仕事にしている身としては、
そんなしんどい覚悟を皆がすべきとは思わない。
でもそれは「芸術する生き方」のススメであり、
その意識を持つ事は芸術家(職業的)でなくとも可能で、

確かに、そこには、輝きがあるんだ。

芸術の伝道師  (2008-09-04)
 「芸術は爆発だ!」という名言でもお馴染みの、日本一有名な芸術家?岡本太郎による著作。反骨精神の塊のような著者が、芸術について非常にわかりやすい言葉で、熱く語りかけている。

 本書の内容は以下の宣言に要約される。

 今日の芸術は
 ・「うまくあってはいけない」
 ・「きれいであってはけない」
 ・「ここちよくあってはいけない」

 わざと逆説的に言い切ることにより聴衆の注意を引いてから、その内容について詳しく解説する点からは、生前にも見られた各種メディアへのアピールのうまさを連想させる。内容的には、芸術というのは自己革命であり、客観的に存在するものではなく、発見するものであるという点には大いに賛同するものの、「芸術」と「芸道」を比較・批判している箇所などかなり思い込みの激しい内容が見られるのは気に掛かる。

 読み終わってみると、実は大した内容を論じているわけではないのだが、その語り口には圧倒されるほどの勢いが感じられ、芸術を志そうとする者を奮い立たせる力は持っているような気がする。

 そもそも、岡本太郎の魅力とは、一体なんだろうか?その理論や作品にあるというよりは、過剰なまでの人間的「勢い」にあるように思われる。どこに向かって走っているのかはよく分からないが、とにかくものすごい勢いで猛進している「暴走列車」?

 私にはその作品の素晴らしさがよく分からないだけとも言えるが、個人的に彼の魅力をひとつ指摘するなら、何よりパフォーマンス(プレゼンテーション)のうまさを挙げるべきだろう。もしかすると、「芸術の伝道師」という肩書がふさわしいのかも?


セックスピストルズ  (2008-01-20)
全てをぶち壊しにして「また一から始めようぜ、俺たち」とか。
この本のすごいところは誰にでもわかるような言葉で繰り返し繰り返し、それも力強くメッセージを投げとるとこやと思う。「なんでわからへんねん!」みたいな苛立ちすらも感じるぐらい終始一貫しとる。
それが奇才だの天才だの言われた、なにせとにかく常人離れしたおっさんのようなイメージのある岡本太郎さんから投げられとんねんから。「俺もお前も何も違うとこないぞ!」という。
優しさに満ち溢れた本です。
芸術という言葉を他の身近な言葉に置き換えて読んでもいけます。
芸術論を超えてしまった芸術書。
芸術を志さない人でも同じ温度で感じられれると思います

刺激的でテンションが上る!!  (2007-12-30)
恥ずかしながら、岡本太郎のことは「芸術は爆発だ」でおなじみの、凡人には理解でない風変わりなおっさんくらいにしか思っていなかった。
しかし、本書を読んで、頭脳明晰で論理的、正しいことを言っている人だとわかった。
なぜ芸術はきれいであってはならないのか、芸術とはなんなのか、そういうことが分かりやすく書いてある。さらにそこから文化論、教育論、伝統論、人間論にまで展開していく。
刺激的でテンションが上る。優れた一冊だと思う。
人にすすめたくなる一冊。

今なお新しい芸術論  (2007-10-19)
この本が書かれたのは1954年だが、そんな古さは微塵も感じさせられない。

古い伝統に縛られているのは芸術ではない、芸術は新しくあるものだ。
古き形式を守るのは芸であって芸術ではない。芸と芸術はむしろ正反対である。

いわゆる抽象画は、特に最近のは、わからないのが多い。
しかし、絵はそもそもわかるとかわからないとかの問題ではない。感じるものだ。
そういえば、抽象画を見ていて、何かドキッとしたり、吸い込まれていくような感覚を持つことがあるが、ああいうのだろう。

絵はすべてのひとが描くものである。
絵を描くといっても、世間でもてはやされているような名画を真似て書くのは愚の骨頂だ。
絵は、自分の感情を外に出すものだ。それが出来れば、下手でかまわないし、むしろ下手な方がよい。

今度絵でも描いてみようかな、と思わされた一冊。
その前に美術館かな?



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