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洋服と日本人―国民服というモード (広済堂ライブラリー)
井上 雅人
廣済堂出版

グループ:Book /ランキング:462793
価格:¥ 1,050
発売日:2001-10 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
哲学的な文章で意味不明  (2006-07-19)
抽象的で哲学的な言い回しが多く、論点が整理されていない。1930〜1940年代の国民服と婦人標準服についての話を中心に書かれているのだが、国民服令の公布と施行のそれぞれの年月日、条文の原文、国民服令に付属していたはずの図といった基本的な情報が、この本に書かれていなかった。巻末に小さな字で国民服令の一部が書かれているだけ。政府が発表した国民服令のうち、付則・別表・図は、この本には一切掲載されていない。婦人標準服についても、政府がいつどんな内容を公表したのか、この本を読んでもわからない。婦人標準服の原文や図という基本的な情報が、この本に一切書かれていなかった。

マイナーなテーマだけど素晴らしい本  (2005-01-19)
 戦後生まれの我々の感覚では、「国民服」といえば、ともすれば戦時中に政府が国民に対して強制的に着用させた「国民の制服」であるかのようにイメージしてしまうのですが、著者によればそれは間違い。むしろ政府からの着用強制圧力などほとんどなかったのです。もちろん法的義務もない。
 じゃあなんで「国民服」などというものが制定されたのか?
 そもそも国民服制定のための論議は、「洋服はたしかに合理的だが、簡単に日本文化を捨てて洋装に順応していいのだろうか?」という、文化論的な葛藤が契機となっていたのです。それで、服飾関係者・政治家・芸術家、それに軍人までもが参集して、いわば国家規模で「日本人はどのような服装文化をもつべきか」を議論したのですが、最終的に陸軍が制定会議の主導権を握ってしまった結果、あの軍服のごときデザインの「国民服」が制定されてしまったというわけです。その辺の経緯はかなり詳しく本文にまとめられています。
 それにしてもとにかく着用義務はなかったわけで、現に制定後も長いあいだ普及が進みませんでした。ところが戦争末期という環境のなかで爆発的に普及する。この普及もいわば「流行の極限的なかたち」としての普及であって「強制」ではないのですが、だからこそ注目に値する現象なわけです。「着ることの自由」や「流行」とは何なのかについて考えるための、重要な素材となるでしょう。

 著者の修士論文が元になっているだけあって内容の構成がしっかりしてるし、文章表現も巧みで面白く読める。かなりお勧めの一冊です。


洋装化はアメリカ生活の憧れか?  (2004-12-01)
第二次大戦前の国民服の考案とモンペの流行を軸にまとめた面白い本です。

一章、二章では「国民服」「標準服」という制服の立案と議論について論じられ、三章、四章ではその実施が心ならずも「モンペ」という「自家生産」の衣服にとって替わられるという皮肉を描いています。
そこにおいては着物の非活動性が認識され、女性の身体観が変化し、戦後へ継続すると論じられています。戦後の洋装化は、この身体観の変化を前提としてあるという議論はなるほどと思わされました。

端的にアメリカ生活の憧れが戦後の洋装化の原動力だったとして、今までは語られがちだったわけですが、そこに一石を投じた書物だと思われます。




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