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メディアの興亡〈上〉 (文春文庫)
杉山 隆男
文藝春秋

グループ:Book /ランキング:28863
価格:¥ 560
発売日:1998-03 /只今品切れ中
カスタマーレビュー
おすすめ度:
「コンピュータで新聞を作る」  (2007-10-09)
「コンピュータで新聞を作る」

 という、コンピュータがここまで発達・普及した現在だと普通に考えられることが、
昭和40年当時、「アポロ宇宙計画に匹敵する難事業」であったこと。

 そして、昭和40年といえば、山陽特殊鋼や山一證券の経営破綻という前年までの好景気から一転した
大不況の真っ最中・・・新聞社もその例外ではなく、
どこも経常利益1〜2億/年の頃、全国展開のための営業費増と新社屋建設ラッシュの結果、
毎日新聞社は200億余の借金、日本経済新聞社も100億余の借金を抱え、青息吐息の中で
産声をあげたプロジェクト。

700ページ余の大分の本書、コンピュータ導入による活字・職工の全廃という
「革命」を狂言回しにした
 昭和40年代〜52年に毎日新聞が新旧会社に分離するまでの新聞業界史でした。

新聞社の戦国史を描く歴史的書籍  (2005-06-13)
五大新聞(読売・朝日・毎日・産経・日経)の戦国時代を、日経新聞を中心に描く歴史的書籍である。話題の中心には、日経新聞を中心に進め
られた新聞製作の近代化が描かれているが、同時に、新聞各社の戦いの歴史がリアルに叙述されている。戦後、五大新聞はメディア企業として
どのように戦い、販売部数という領土を獲得していったのか。その歴史自体に関心のある人にもお薦めしたい書籍である。

新聞社革命只中の人間ドラマをありありと描く  (2004-02-21)
1970年代,日本の新聞社での,世界に先駆けた新聞印刷のコンピュータ化の流れの中,かかわった人々は何を想い何を行ったのか,緻密な取材にもとづくルポルタージュ。「コンピュータの名著・古典100冊」に紹介されて読んだので,新聞社でのコンピュータ印刷導入にまつわる技術的側面を期待して読んだが,その類の話はほとんど無く,写植・印刷技術とはほとんど無関係なそこに至るまでの新聞社事情が大半を占める。しかし,そこでの描写は,いちいちのイベントにかかわる一人一人の思いをビビッドに伝えるもので,かつ,職人から社長まで多くの人々の関係を単純化するでもなく複雑なままにもかかわらず手に取るように知らしめてくれるもの。その人々の想いの交錯が本書を見事に織り紡ぐ。最後になっていざコンピュータ全面導入,という時をあっけなくもあっさり描いている。組織の中での一大事の達成が,必死にかかわってきた個々人にとっては,何か白々しい骨を抜かれたような感で終わる。私の経験のいくらかを思い出させるこの結末で,身近な作品として読了した。

ノンフィクションを越える  (2001-10-13)
 本書の圧倒的なおもしろさは、丹念に事実を積み重ねたうえにある。スケールの大きな話ながら、些少な事実の一つ一つが登場人物をいきいきと映し出して、ノンフィクションながら、まるで小説を読んでいるような錯覚におちいる。

 さらに、下手をすれば収拾がつかなくなってしまう膨大な量の情報を、《コンピュータで新聞を作る》という巨大なプロジェクトに遺漏なく関わらせたうえで、何の破綻もみせない構成力はみごとという他ない。

 「朝日」「日経」「毎日」という日本を代表する新聞社が、時代の流れの中で見せる企業の趨勢を賭けた攻防は文句なしにおもしろい。だが何よりも、そのプロジェクトに何らかの形で関わった男たちの、仕事に賭けるありのままの生きざまにどうしようもなく惹きつけられ!る。




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