中国が予測する“北朝鮮崩壊の日” (文春新書 637)
綾 野富坂 聰 文藝春秋
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価格:¥ 840
発売日:2008-05 /通常24時間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
中国軍人からみた北朝鮮像なので日頃目にするものとは視点が異なる 
(2008-06-22)
まず、原著者の綾野は「あやの」ではなく「リン イエ」という中国の大佐クラスの軍人の匿名。この著書で中国と北朝鮮の間には隙間風が吹いているのがわかる。中国は北朝鮮にはずいぶん気を遣っているのだが、一筋縄で扱える相手ではない。金正日があと何年健在かでポスト金正日も様相が変わり、10年近く健在であれば金王朝3代目が実現する可能性大。
また、日本の拉致被害者の件では、朝鮮人民軍最高幹部の身内の情報によれば「横田めぐみさんは処刑されている」(p146)とのこと。6カ国協議の北朝鮮代表の金桂寛は仏・英語が堪能で一見温厚そうだがなかなかのやり手らしい。
対北朝鮮政策、対中国についての米国、日本の分析もされているが、この辺りは、綾野氏が思うほど、軍事面で米国、日本が北朝鮮、中国を脅威と思っていないのではと感じました。両国とも経済面、民生面、国民の団結面で問題がありますし・・。
ブッシュ政権も終りに近づき、最近北朝鮮との6カ国で功をあせっているように見えますが、足元に付け込まれぬよう、後任者に任せた方が良いように思います。
中国幹部軍人の北朝鮮分析 
(2008-06-06)
友好国と思われる中国の軍関係者による、北朝鮮情勢分析の書。
今年の年初だったか、キッシンジャーが北朝鮮はすでに崩壊国家だ、と語っていたがそれを追認するかのような内容だ。中国側からこのような分析がなされていることに、驚きを感じる。
なお、書中で中国でさえ北朝鮮の突飛な外交には手を焼いていることが、明らかにされている。実に興味深い。
嘘だらけの「友情」 
(2008-05-22)
国際関係で「真の友情」なんてないとはよく言われるが、机の上で「友誼」を前面に打ち出し親密ぶりをアピールする両国が、机の下で蹴り合っている現状が本書でよくわかった。中国の軍人にしては非常に冷めた視点で北朝鮮の政治経済軍事を分析している。また、自身中国の対北朝鮮外交の失策にも触れられており面白い。中国の場合、対北朝鮮外交は国の外交部以上に、共産党も外交部門と朝鮮労働党の外交部門が大きな役割を果たしていて、2元外交に陥っていると指摘する。
朝鮮戦争での中国介入を北朝鮮が恩義に感じていないという北朝鮮の言葉には驚いたが、その後の記述で国共内戦の時に東北三省にいた共産軍をかなり北朝鮮が支援したからその貸しを返してもらっただけという気持ちなのだという。
軍事最優先という北の先軍政治を「毒入りの水で渇きを癒す」とか、「池を干して魚を獲る」という経済政策の誤りの指摘など本書を読んで、中国人の比喩の上手さにもにやりとした。