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パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)
Thad E. Carhart
村松 潔
新潮社

グループ:Book /ランキング:83141
価格:¥ 2,100
発売日:2001-11 /通常24時間以内に発送

レビュー(Amazon.co.jp)
   パリの左岸にあるひっそりとした裏通りに、そのピアノ工房はある。本書は、パリに住み着いたアメリカ人の著者が、この店の扉をノックし、ピアノという楽器の深遠な世界に入り込んでいくさまをつぶさに描いている。ショパンの好んだプレイエルや豪華なスタインウェイなど、古今東西の名器がこの工房に集まり、再生されていく。ピアノをまるで生き物のように扱う職人との交流を軸に、ピアノの魅力をあますところなく描いている。

   本書はピアノの専門書ではない。しかし、「震えるようなひびきがいつまでも空中にただよい、次々とひびきを重ねても音色が曖昧になったり濁ったりはしなかった(ファッツィオーリの音色)」というような、個性的なピアノの音に関する表現が非常に魅力的だ。また、自分だけのピアノに巡り会ったときの喜びは、ピアノ好きならぞくぞくするような感覚として実感できるに違いない。20年ぶりにピアノを手に入れた著者と共に、ピアノの起源から近代のピアノが成立するまでの歴史を旅し、ピアノの内部をのぞいたり、有名なピアノ教師によるワークショップに参加したりといった疑似体験を得ることができるのが、この本の魅力といえよう。

   本書には、ピアノだけではなく、忘れられないキャラクターもたくさん登場する。アル中の凄腕調律師、子どものころ出会ったピアノの先生、著者の子どもが通うことになる音楽学校の校長など、その後が気になる人物ばかりである。

   著者は、幼いころ感じた発表会の恐怖について回想しているが、その感覚に覚えのある人も多いに違いない。大人になってスパルタレッスンから解放された今、この本を読むと、再びピアノのふたを開けてみたい衝動に駆られる。(朝倉真弓)

カスタマーレビュー
おすすめ度:
好きな"対象"への、美しく抒情的なその語り口に酔わされる。  (2008-09-25)
素敵な1冊である。その店はパリの片隅の狭い通りに佇んでいた。閑静な街並に場違いな感もある「デフォルジュ・ピアノ」との名を持つ小さなピアノショップに、アメリカ人の筆者は惹きつけられてしまう。
「パリ左岸のピアノ工房」は、筆者が感じる心情そのままの不思議で謎めいた雰囲気で始まる。スタインウェイ、べヒシュタイン、ベーゼンドルファー、、、。ピアノという楽器が持つ気品と繊細さ、様々な国々から流れてきたピアノたちが集められたパリの裏通りのアトリエ、ピアノへの愛情と蘊蓄が溢れんばかりの調律師、筆者自身のピアノとの関わりと思い出、それらを美しく抒情的に綴る語り口に酔わされる。
"心躍る対象"を追い続ける少年のようなピュアな筆者の気持ち、流行る気持ちを抑え切れない心のときめき、まるで恋をするような魅惑の衝動が胸に迫ってくるのだ。
そして、大きな魂を持つ楽器とそれに更なる生命を吹き込む男の絆、幾多の数奇な運命を経て出合う彼とピアノたち、実にドラマチックだ。
良く出来た神話的物語と思いきや、実はノンフィクションというのが凄い。ピアノ好き、パリ好きはもちろん、それらに興味がなくても、愛用品であれ、蒐集品であれ、自分の中で"愛"を以ってこだわる"何か"を持つ方なら、きっと共感出来るはずだ。

日本からは見えないピアノをめぐるドラマが見えます  (2007-05-08)
パリ市内の「セーヌ川左岸」といわれる地域にあるピアノの修理工房と、そこに出入りするようになったアメリカ人の著者のお付き合いを描いた作品です。

「ピアノもの」といえば演奏家や作曲家がクローズアップされるものですが、この作品はそういったアーティストを描くのではなく、それを支えるピアノたちとピアノをこよなく愛する職人さん、著者を含むその周りの人々とのかかわりを描きます。ちょっと昔の「一見さんお断り」的なヨーロッパに足を踏み入れて戸惑うアメリカ人の著者を通した目が新鮮さ、温かさを等分に描いています。登場するピアノたちは現代のストロングなフルコンサート用のものではなく、ひと昔もふた昔もまえの瀟洒なものばかり。柔らかで軽やかな音色が聞こえてきそうです。日本からは見えそうで見えない、西洋音楽を支えるひとたちの愛情もあふれるごとく伝わってきます。

欲張りをいえば、タイトルは「パリ左岸」じゃなくて「セーヌ左岸」のほうがしっくりくるんじゃないかと…でも、仏語になじみのあるかたばかりが手に取るわけではないので、地名を入れた邦題になるのはいたしかたないことなのでしょう。よってこの件は不問としてこの評価とします。

音楽を奏でる喜びを再発見する  (2005-08-21)
ある作家の人に薦められて読みました。

ピアノという不思議な魔力を持つ精密で美しい楽器。それを再生する古い工房とイギリス人の作者がカルティエ・ラタンで出遭う。そこから物語りは小説のようにミステリアスに展開していく。
ピアノはたくさんあるはずなのになぜ売ってくれないのか。
古い建物の奥にある光あふれる工房では何が行われてるのか。

そして作者はある日、職人のリュックと知り合いになる。
その日から作者はピアノを通じて、忘れていた豊かで繊細な音楽の世界を自分の中に再発見していく。その不思議な人生の変化が美しい文章で綴られていて、読者の私たちまで同時に音楽を奏でる喜びを思い出す。ピアノの話だけではない。
外国人の作者が、難しいパリの裏町文化に少しずつ溶け込んで行く日々も描かれている。そして職人という、ものづくりに執念を燃やす人々のその個性と情熱に、そしてパリの街が持つ不思議な磁力にも感銘を受けずにはいられない。


旅をしながら読むと最高でしょうね  (2005-01-22)
この本は、2002年の夏にイギリスを2週間旅行している時に読み始めました。ロンドン、ケンブリッジ、エジンバラ、リバプールと旅しながら、時々インターネット・カフェに入って、日本の知人とメールをやりとりしながらの一人旅でした。旅の日程も中ほどに差し掛かったころ、日本からのメールで教えられたのがこの本でした。エジンバラの書店で買い求め、すぐに読み始めました。歩き疲れてお茶をしている時や、寝る前の時間、またリバプールでビートルズゆかりの地を巡りながら暇な時間に読んでいました。私はクラシックが好きで、ピアノを習ったこともわずかながらあるので、とても興味深く読めました。印象的だったのは、ピアノを調律したり、修理したりするときにしか見ることの出来ない「落書き」のことでした。中には100年以上前に製作された逸品の裏側に、様々な人々が書き込みをしている場合もあるようです。また、最後に、実在するモデルを探そうなんてことはしないで欲しいと、断り書きがしてあるのも、ほのぼのとしていました。でも、きっとこの本を読んだ多くの人が工房を訪れたことでしょう。

ピアノを習ったことのある人なら…また弾きたくなる本です。  (2003-11-16)
いい本です。

パリで暮らしているアメリカ人の著者が、自宅の近くで見つけたピアノ再生工房に出入りしているうちに、ピアノや、ピアノ職人、調律士、ピアノ教師等々、ピアノに関わる人たちと親しくなって…粗筋だけ書くとこんな感じですが、ピアノと、音楽を愛する人たちの、心温まるショート・ドラマが連なっていき、それが全体としては、大河ドラマになってる感じのノンフィクション。
タイトルに惹かれて読み出したんだけど、とてもいい本でした。
翻訳も丁寧です。
たぶん、ピアノを習ったことのある人なら「うんうん、わかる!」って感じのエピソードがあったりして、懐かしい感じもします。

ピアノや音楽のことについて、ある程度知識があった方が楽しめますが(フランスとアメリカでの音名の違い…ドレミファソラシドとCDEFGABC…の違いとか)、なくても大丈夫。著者は丁寧に取材しているんでしょうね、ピアノの歴史とか、過去のピアニストの逸話なんかも出てきて楽しめました。

ピアノの歴史、ピアニストの歴史についてもっと詳しく知りたくなったら、「19世紀のピアニストたち」って本が別にありますが、併せて読むと楽しいと思います。
あと、著者がセロニアス・モンクの自伝のことに触れていましたが、自分は読みながら「キース・ジャレット自伝」を思い出しました。本棚から引っ張り出して、読み返しました(笑)

読み終わってから、ピアノが弾きたくなる本…実際、弾きました(爆笑)
いい本です。




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