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1Q84 BOOK 3
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新潮社

グループ:Book /ランキング:89
価格:¥ 1,995
発売日:2010-04-16 /在庫あり。

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考える人 2010年 08月号 [雑誌]
天地明察
カスタマーレビュー
おすすめ度:
純愛ファンタジー  (2010-07-25)
かなり酷評されている方が多いが、私としては素直に面白かった。村上作品の中では、最もわかりやすい部類にはいるのではないかと思う。
多くの方が違和感を感じているのは、リトルピープルや空気さなぎの存在ではないかと思う。何かのメタファーとして考えようとすると理解に苦しむかも知れないが、1Q84の世界に存在しているものだと、そのまま受け入れてしまえば気にならなくなってくる。あくまでも、これはファンタジーなのだ。
過激な性描写や、男性都合で描かれた女性、などという批判もされているようだが、私は全く感じなかった。
逆に、幼児期に性的虐待を受けたために男性遍歴を重ねる女性の心理や、愛されずに育った人間の決して満たされることのない精神的枯渇など、心理描写が秀逸だと感じた。
ただ、あまりにもロマンチックな天吾と青豆の純愛や、白雪姫と七人の小人のようなふかえりとリトルピープルなどは、完全にファンタジーだと思って読まないと、ついていけなくなるかもしれない。
エンディングはほぼ、白馬に乗った王子とお姫様の道行きである。

初期の村上春樹はアウトサイダーらしく、独りよがりで衒学的な文体が鼻についたが、最近は社会にコミットしていこうという真摯な姿勢が感じられて好感が持てる。
「ねじまき鳥」辺りから、ユング心理学の影響を感じるが、今回も、集合的無意識はキーワードだったのではないかと思う。
自分としては、こういう荒唐無稽さはとても面白く、内田百けんのような味わいを感じている。人によってはかなり拒絶反応を起こすかも知れないが・・・。

1?84  (2010-07-22)
内容がない。ひたすら引用がでてくるが、知ったこっちゃない。これで知らないほうは、お前は教養がないからだと非難されるのはおかしいと思う。それこそ衒学的だ。
宗教に対して、ある種、悪意を感じるしそれに同意して欲しいらしい。宗教を描くならもっとニュートラルに考えた方が説得力がある気がする。キャラクターの偏ったものの考え方が滑稽だ。ドメスティックバイオレンスっていう悪も作家の中で流行しているようだが、単なる状況の域をでない半端な扱われ方をしている。
あと、思わせぶりなことをひたすら書いている。ロストという海外ドラマがあるが、あれに似ている。
何かが起こるけれど、説明は後回し。引っ張り尽くして、内訳を見てみると、なんてことないことで終わる。カードマジック。ほら鳩も出るよーほらほらあ。盛り込むだけ盛り込んであとは読者が想像してくれという丸投げの姿勢。そこで結局、主人公と女主人公がどうなったかを楽しむ本になるのだけど、どちらもすくいようのないほどじめじめしていて偏屈でどちらかというと犯罪者として描かれるタイプだし、共感できない。
自分はジョージオーウェルの1984を読んでいたが、なぜ1984をもじったのかがわからない。これでは、浅はかな同人作家と同じレベルなのではなかろうか。なぜ誰も止めなかったのか。

いいところといえば、唯一、NHKの集金の台詞が面白かったってとこくらい。



巨匠だからこそ許される作品  (2010-07-20)
 レビュアーの理解の食い違いが多いのに疑問を感じます。

 1、2巻は正直、行列のできるラーメン屋へ足を運ぶ気分で読んだ風もあり「?」の部分が多かったです。
 因みに猥褻な表現が目立ったことを具体的にレビューに書いたら第2巻は掲載されませんでした。
 
 それが第3巻になって突然興味深く読めるようになったから驚きです。

 ところで、私の知り合いでミーハーなものになら何でも飛びつく人がいるのですが、本書について「突然何が起こるかわからないから面白い。2人がなかなか出逢わないからじれったい」と言ってます。
 本当におめでたい人なんです。私もそういう娯楽作品として読めればいいのにと羨ましく思いました。

 解説かレビューでも同じことが書かれていましたが、この作品はオウム真理教を含むカルト教団とその被害者を、それぞれの立場から見てどう映るのか表現したかったのだと私も思います。
 あと5年もすれば「オウム真理教って何?」と言う世代も出てくる時代になります。

 物語を作る上で一番大切なのはストーリー展開でなく人物描写だということを、村上さんは同じ場面を繰り返し主要人物三人の目線から全てを描くことで、さらけ出したのかもしれません。

 第4巻を期待しているレビュアーがいますが、行く先のわからない未来に立ち向かう勇気と希望を描ききったのですから、私的には「1Q84」はこれで完結したと解釈してます。

 文章力を絶賛するほどの理解力は私にはありませんが、登場人物のほとんどが哲学書にかじりついたような考えを持っていて、私の周囲の人間も皆日頃からこんなこと考えているのだろうかと思いました。 
 ラストの牛河の口から登場するリトルピープルのシーンで、著者が読者に合わせた目線になったりしますが、読み終えて不思議な感覚は残りました。

 大作家だからこそ許される制限なき文章量。
 新人作家だったら編集者に半分近く赤線を引かれますよ。
 602ページの一気読みは疲れました。 

『海辺のカフカ』以上に重くディープな世界です。  (2010-07-18)
爆発的に売れている小説ですが、内容はそれほどエンターテイメント溢れるものでもポピュラーなものでもなく、どちらかといえば、重く、暗く陰鬱で、地味な作品です。

意図的に流れを悪くしているかのように、試行錯誤の描写が多く、進行も重層的で、また、いろいろな出来事がそれぞれ象徴的で、これまでの作品以上に油断のならない作品となっています。さらに、いままでの作品と大きく違うのは、暗く、不吉で、暴力的なムードがずっと背景にあることです。この暗さは、『海辺のカフカ』でも見られましたが、いっそう深まっています。

暗さということについていえば、登場人物たちはさまざまな闇を抱えています。主人公の側に描かれている青豆の周辺を見ても、セーフハウスの女主人もそうです。人を違う世界に送り込む=消滅させるという行為は、意図は崇高なものだとしても、やり方には相当問題があります。しかし、そうせざるを得ない心の闇があったのでしょう。そうした闇が集団的に描かれていますが、それが具体的に何なのか、言葉では明らかにはされません。この作品では、善悪の基準もあいまいで、きわめて不安定で不気味な世界と、そこに生きる人々が描かれています。

時折見せる特徴的な言い回しや、タマルや牛河のような個性的な登場人物の描き方は、村上ワールドそのものですが、全体的には、ファンにとっても解釈の難しい作品です。平易な文章ですが、いろいろ考えさせられます。

ラストは随分と肯定的なものですが、同時に、責任を持たないといけないという、厳しいものでもあります。こういう責任について作者が描いたのはたぶん初めてのことだと思います。賛否両論のある作品ですが、作品ごとに新しい領域をひらいてきた村上ワールドの現在の最高到達点。読んで損はありません。

さて、どっちの声に耳を傾けるか...  (2010-07-17)
つい先ほど、Book3を読了。
う〜〜む、僕の頭の中で相反する二つの声が交錯してる。

【右脳からの声】
エンターテイメントとして、手放しに面白い。よくぞこんな荒唐無稽な話を、ここまで完成した筋書きに仕上げられたものだと感嘆する。
相変わらず文章や表現力も素晴らしく、並みの作家と一線を画すことは素人にもわかる。
厚目の3部作を、苦もなくスラ〜っと読めた。流石は稀代のストーリーテラー。

【左脳からの声】
確かに話としちゃすごく面白いんだけど、いま頭に残る「だから何なのよ?」的な余韻は何だろう。
もしこれが、ずっと若い期待の新人のデビュー作品でもあれば、「これからの作品が楽しみだ〜」ときっと素直に喜べただろう。
しかし、著者はノーベル文学賞の候補にも名が挙がる日本を代表する作家だ。
既に還暦を過ぎて円熟の極みにあるはずの著者の最新作がこれかと思うと、「そりゃちょっと違うだろう〜!?」と、僕ならずとも感じるはずだ。
バカ売れしているアメリカの娯楽映画を観た後の、長続きしない感動にもどこか似てる。

自分の中でどちらの声に決着がつくかもうちょっと冷却期間が必要だけど、どうも左側が優勢だ。




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