未来歳時記・バイオの黙示録 (ヤングジャンプコミックス)
諸星 大二郎 集英社
グループ:Book /ランキング:-
価格:¥ 840
発売日:2008-07-18 /通常24時間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
諸星節ここにあり! 
(2008-10-02)
かの漫画の神様「手塚治虫氏」が絵について、「僕が書けないのは諸星大二郎だけだ。」と言ったとか言わないとか。諸星氏の絵は確かに独特にみえるが、実はものすごくうまい。昔の作品などを拝見すると写実的に書く能力はかなり高いことに驚く。
さて本作の内容は、近年のSF/不条理/ノスタルジーといった諸星節が炸裂である。
一冊の統一感も高い。
こんな作品に小説ではなく、漫画で出会えるのはうれしい限り(漫画だからこそ!とも言える)。
幸せ。
人類化学幻想奇伝 
(2008-08-14)
恐ろしい・・・というよりはシュールだ。
シュールなSF漫画だ。
諸星大二郎流の奇怪さもしっかりただよっている。
世界観としては、バイオテロ後の人間社会であり、バイオテロの後遺症が人類の営みに様々な影をもたらす短編6作と、合間に幕間劇として5作品が挿入されている。
動植物や人が別の遺伝子と結びつき、ジワジワと変化を遂げてゆく異形世界。
その中で人体に影響の出ない者と、影響を免れない獣化人間との間の住み分けが行われ、やがてバイオの風が吹き荒れ、すべてを飲み込む・・・。
共通の世界観を軸にした短編集のような装いですが、バラバラに見えたエピソードもラストで一つの大きな繋がりとして集約されています。
虚無感と、ある種の幸福感が終始漂う作品でした。
同じように人と動物との奇妙な関わり、交わり合いを描いた短編集、「私家版鳥類図譜」や「私家版魚類図譜」もオススメです。
感服しました。ぜひ、映画にしてほしいです。 
(2008-08-13)
ひとつひとつが、幻想的だったり、喧騒にあふれたドタバタだったり、・・・・そして、すべてが、ひとつになって、ラストに、こんな風に収斂されて行くとは予想だにしませんでした。
素晴らしい!
どこか不安を抱えながらも、壮麗と言いたい様な結末とオチ。オチは、むしろ、劇中劇の終わりを告げているだけ・・・という印象も。
CGなぞ、使いまくってもいいから、映像化してみてほしいなー。荘厳な物語だと思います。
今、諸星さんはノリにノッているのでしょうか。
これまでの作品は、かなり買いあさりましたが、これは、もしかしたら、最高傑作ではないでしょうか。
震撼すべき、まさに黙示録的な傑作 
(2008-07-26)
本当に、黙示録的な傑作だと思う。
あらゆる遺伝子がシャッフルされ、世界は渾然とした様相を呈し始める。人間の遺伝子が混入した雑草や鳥たちが農場を襲い、言語モドキで際限ない饒舌を繰り広げ、しかしそれがいつしか意味あるものへと変容していく。
人間たちにも、すでに異種の遺伝子は入り込み、DNA安定剤でその発現を抑えている。不幸にして異種の遺伝子の発現した者たちは街を追われ、ある者は難民と呼ばれて「荒地」に集い、ある者は海に還り、ある者たちは火星への脱出を試みる。百鬼夜行する世界。誰もが異形の者である世界。人間であることの終末。
終章「風が吹くとき」は、荒地で登場するライオンの容貌を持つ男の「ここに来た者はみな/その運命に従って/荒れ地に与えられた/役割を生きるのだ/お前もいずれ/その時が来たら/自分の役割に従え」(p215)という言葉が予告したとおりの結末を迎える。しかしそれはまた、救いでもあるように感じられる。
幕間劇で描かれてきたサトルが、最後に呟く言葉の痛切さ。そしてクローンと思しき女性アナの、重みのない別れの挨……プツン。
9/20の追伸 稲葉振一郎『「公共性」論』を読んでいて気がついた。この作品はハンナ・アレント、ジョルジョ・アガンベン、東浩紀などを意識している! キーワードは「難民」「動物」。
ファン必見 
(2008-07-25)
先生のSFものは久しぶりのような気が。
バイオテクノロジーが発達し、
さらにバイオテロで様々な遺伝子が世界に氾濫した未来。
荒涼とした土地と難民。
色々な動物が混ざり合った野生動物。
それらから作物を守る過激な農民。
動物が人間になり、人間が動物になり...
昔からの諸星大二郎ファンは必見だと思います。