カスタマーレビュー
おすすめ度:
凄惨だが味わい深い作品。 
(2008-07-13)
最近、やや疲れ気味。通勤電車で堅い本は今はちょっと
しんどい。暇つぶしに小説でも、と手にとったのがコレ。
ここ十数年どの新刊文芸書よんでももひとつツマラナイし、
期待はずれ率がほぼ100%。期待度ゼロで、とにかく
疲れない軽いやつを!というつもりで表紙でチョイス。
文章が稚拙だ、みたいな評価が多いみたいですが
私は全くきになりませんでした。
正直いうと久方ぶりに小説でインパクトをうけました。
3分冊と大部ですが、引き込まれわずか二日で読了。
凄惨なシーン。特有の空虚感。通勤途上で気分爽快に
なって、1日のやる気を装填する用途にはむきません。
子供にもちょっと勧めつらいですねぇ・・・
いい意味でマンガチック(ほめ言葉でしょ?)。
要はアンチ・オカルトってことじゃないの?
この物語に主人公や語り部が存在するのかな?
抜かりなし! 
(2008-06-24)
この手のジャンルは門外漢です。
なりの感想をば。
いかにも「萌え」要素満載で見え見えというか。
んが、オタク文化っつーのは本当に
すごいっすわ。
日本の産業なんて
言われていますが、実感。
殺人マシーンの美少女が主人公だなんて。
その能書き、語り口は「エヴァ」が『スタジオボイス』で
特集されていた頃を彷彿とさせ、遠い目になってしまいます。
しかし、こんなキャラ造形にまで至っていたとは…。さすが講談社、抜かりなし!
映像はどうなんでしょ?
※笠井潔の解説が秀逸です
(オリジナル版)
類型的なキャラクターと概念を楽しむ本 
(2008-06-21)
この本を読み難いと云う人は、読み易い本に慣れすぎなのかもしれない。試みに夢野久作や森茉莉などの小説を読むと好い。ただ、『空の境界』が、初出から10年を経た2008年の私にとって魅力的かと問われれば、やはり否。戦闘美少女の両儀式、「根源の渦」という究極の概念を主軸とするセカイ、選択者である黒桐幹也という、類型的な組合せである。『 』(カラ)という概念も、二元論に囚われ過ぎていて肌に合わない。この本は、類型的なキャラクターや概念を「かろやかに」楽しめる人が楽しむべき。構造の悦楽や衒学趣味を求めるなら、竹本健治の『匣の中の失楽』を私は推す。
空の境界に対する一考察 
(2008-03-17)
「場面」として見るならば,台詞回しに非常に気を使っているのが分かり,時には爽快感を与えてくれるような切れのある台詞を見て取ることができる.
反面,「物語」として捉えた場合,やたらと概念の説明が多い(抽象的な箇所が多く,あまりうまい説明とは思えない),各場面との繋ぎが陳腐といった欠点が気にかかった.
結局のところ,この作品に関しては小説という発信方法のメリットは感じられない.映画化されているようだが,そちらのほうは多くの人に受け入れられるだろう.
登場人物みんな物知りすぎ(笑) 
(2008-03-14)
文庫化したのを期に読んでみました。
上・中・下で1,000ページを越える読み応えのあるものでした。
文章は特につまることなくスラスラ読めましたよ。
一番気になったのは登場人物の思考が「くどい」こと。彼らの喋る台詞の
ひとつひとつもそうだし、何より発想そのものが「くどい」。(「くどい」
ってどういうことだと言われると、なかなか説明がしにくいのですが、あ
えて言うと、)自分の下す判断や行動のもとをたどっていくとその理由や
動機があるわけで、そこをこれでもかというぐらいネチネチと突き詰めて
判断・行動している類の人間かと。なぜそのような判断を下すのか(ある
いは下したのか)、なぜそのような行動に出るのか(あるいは出たのか)
を自問自答しているようなもんで、普通の人なら疲れるから適度に無視す
る部分ですね。でも、そういうところがキャラクターの魅力だと思います。
人によっては気持ちが悪く感じたり、うっとおしいと思ったりするかもし
れません。
ただ、きっとこの世界観を描くにはこういう類の人間を登場させなければ
いけなかったんでしょう。ピッタリといえばピッタリ。
本作に対して「文章が稚拙」という評価がありますが、私はそうは思いま
せんでした。「文章が稚拙」という人がどの部分を指しているのかわかり
ませんが、必要以上に文法的な正しさを求めるのは無粋ですし、その逸脱
もまた作品の一部(さらには表現方法の一手段)なのだと思うからです。