記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
池谷 裕二 講談社
グループ:Book /ランキング:1539
価格:¥ 1,029
発売日:2001-01 /通常24時間以内に発送
レビュー(Amazon.co.jp)
タクシーに乗って行き先を告げると、たいていの運転手は地図を見ずに車を走らせる。彼らの頭の中には複雑な地図がすべて入っているようで、その卓越した記憶力には驚かされる。
本書は、そんなタクシー運転手の記憶力を脳科学的に解析したマグワイヤの研究の紹介から始まる。その興味深い研究の結果、タクシー運転手の脳のある部分が一般の人よりも大きく、しかもそれはベテランの運転手であるほど大きいという驚くべきことがわかった。
よく年をとると記憶力が衰えるといわれるが、この研究は成人した後であっても鍛えれば記憶力がよくなることを示している。しかし、そうは言っても成人して年齢を重ねるごとに記憶力が落ちていくのを感じるわけだが、脳科学は脳の構造にあわせた3つの「記憶の仕方」があることを教えてくれている。それは(1)何度も失敗を繰り返して覚える、(2)きちんと手順を踏んで覚える(易しいものから難しいものへ)、(3)まずは大きく捉え、最初から細部にこだわらない、である。年齢と共に「丸暗記」する能力は衰えていくが、この方法を用いれば記憶力は鍛えられる。
本書は記憶に関する脳科学の興味深い研究を、歴史に沿ってわかりやすく紹介している。また「テストの直前に詰め込み勉強をするなら徹夜するよりも早起きして勉強した方が良い」「テストの前に風邪薬を飲むと記憶していたものが思いだしにくくなる」など、記憶力に関するアドバイスもかなり具体的だ。
文章も読みやすく、必要な生化学や脳科学の基礎知識もわかりやすく解説してあり、記憶のみならず広く脳科学に興味を持っている人にお勧めできる。(別役 匝)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
おすすめの一冊 
(2008-07-14)
「記憶」のメカニズムについて、
科学的に、且つ、わかりやすく解説されている。
少し難しい言葉も出てくるが、あまり専門的過ぎず、
読みやすい内容になっている。
図が少し見づらいところがあるので(本のサイズもあるだろうが)、
もう少し工夫してほしかった。
読んで損はしない 
(2008-06-14)
記憶方法や記憶の仕組みが科学的に描かれていて、とても納得できます
記憶力に自信をなくし勉強が嫌になった人でも、やる気が出てきます。
勉強をする意欲がで、かつ記憶力が増えるので
単に記憶力を強化したいという人でなく、頭が良い人に嫉妬している人も
お勧めしたいです。
記憶力強化の最終兵器 
(2008-03-28)
というとかなり大げさですが、この本を読んでもまだ自分の記憶力に自信が持てないとしたら、それはもう記憶力云々の問題ではないかもしれません。記憶力が弱いと嘆いているそこのあなた。おすすめはもちろん第6章です。読んでみれば、何のことはない、他の記憶本にもよく書かれていることばかりなのですが、最初から読み飛ばさず脳のしくみを理解してきたあなたには記憶の王道がはっきり見えているはずです。今度こそ確信を持って地道に記憶力増強に励むことができるでしょう。219pの成績の指数曲線は記憶力を高める作業を粛々と続けてきた結果をあらわしたグラフと考えてもよさそうです。覚えるほどにますます楽に覚えられるようになるということです。記憶が理解を助け、理解が記憶をさらに強化する。記憶の土台を学び、効率的に覚えていきましょう。
記憶とはどういう事かを解説した本です 
(2008-01-14)
タイトルだけを読むと、「この本を読むと記憶力が強くなるのではないか」と感じてしまいますが、本書は脳科学という視点から、「記憶とはどういうメカニズムで成り立っているのか」を解説した本です。
ノウハウ本では無いですが、とにかく脳みその機能がわかりやすく解説されています。
そして最後に、現代科学が未だ到達していない、心(意識)の問題にも踏み込んでいます。このあたりのバランスの良さは、著者が相当優秀な科学者である事を感じさせていて、さわやかな読後感がありました。
最新の医学データから、記憶のメカニズムに迫る 
(2007-11-18)
過去に行われた記憶や学習に対する実験を紹介すると同時に、脳の解剖学的・発生学的研究から、記憶のメカニズムを記した教養本。最新の情報についても、可能な限り要約して説明しており、広い読者をターゲットとしている。
一般的に発売されている、○○式記憶術や記憶力訓練法などの書は、読者が実践してもうまくいかない場合が多い。これらの書は、うまくいった経験則を根拠に、理論を後付けしているものが多いため、その理論の信憑性に乏しい。これらと本書との決定的な違いは、先に客観性の高い研究結果や実験結果があり、それに基づいて記憶のメカニズムが紹介されていることであり、これによって忘却についてのメカニズムも調べている点にある。記憶と忘却のメカニズムが解明されれば、記憶力を増大させ、忘却を減少させる効率の良い方法が研究できる。しかも、これは多少の個人差はあれ、同じ仕組みを有する全ての人(生物)に共通して有効となる。
詳細は本書を読まれたし。最新の脳医学であるために、どうしても記述がわかりづらい所があるかもしれないが、これ以上の簡略化は無理と思う。多くの読者に勧められる良書で、当然星5つ。