おそろし 三島屋変調百物語事始
宮部 みゆき 角川グループパブリッシング
グループ:Book /ランキング:2156
価格:¥ 1,785
発売日:2008-07-30 /通常24時間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
深いテーマを淡々と綴る「物語」 
(2009-01-03)
人は、人に語ることの無い物語を、人生の中で溜め込んでいく。
それは、澱のように人の中に沈殿し、発酵していく。
主人公の少女は、そんな澱を内包し、人生のまだ出だしの段階でその人生を表現する事を閉ざしてしまっている。
そんな中で、起きる様々な偶然。それはまるで、あやかしが彼女の人生をこじ開けようとからかっているような。
この本の評価が分かれるのは、この小説を物語として読むか、人生の示唆として読むかの違いなのだと思う。作者は多分、閉じてしまった人生が明かされることでの妙を表現しようとしたのだと思う。それが、静かに語られる事を良しとしない場合、この本の評価は下がるだろう。
「静か過ぎる」と。
が、静かに進行する物語の中のそこここで、叫びだしたいような「思い」はちりばめられている。是非、その思いを見つけて欲しい。
見過ごしてしまいそうな、静かな、けれども叫びだしたいような強い思いに、自分が生きている中で出会う周囲の人々も自分も、実は囚われているのではないかと思い至る事ができるきっかけをこの本は見せている。
よく分かりません 
(2008-12-15)
宮部みゆきの著作を初めて読みました。
結果から言うと「よく分かりません(評価不能)」です。
感動の最新刊という帯の意味もよく分かりません。
でも、こんな長い本を書くことができる才能には脱帽です。
ちょっとがっかり 
(2008-12-03)
もっとしみじみとした小説だと思って読んだが、そうではなかった。
「霊験お初」や「あかんべえ」のように最後に魔物と対決するという小説だった。
ほかの人に指摘されているように最終話は強引さを感じるし、子供だましとも言える。読んでいるときはそれなりにおもしろかったが、宮部みゆきの小説としてはあまり良いできではない。人に推薦はできないなあ。
おそろし・・・ 
(2008-11-25)
主の伊兵衛が振り売りからの一代で作り上げた袋屋の三島屋,その奥座敷にある「白黒の間」。主人が儚いものと嫌い植え付けなかった花木であったが,いつしか人群れの曼珠沙華が根を下ろした。川崎宿出身の主人の姪:おちかが奉公にあがったのはこれが根を下ろす少しばかり前であった・・・第1話『曼珠沙華』
申し訳ないが作者の本の中ではあまり読まない時代物に手を出してみた。記憶では文庫版の「ぼんくら」以来であった。構成としては訳ありの姪のおちかがいつしか「白黒の間」で行うことになった世にある不思議話百物語をあつめることになる。そのそれぞれの話による短編集であるが,最終話でそれが1つの収束するという形である。やはり時代物独特の言い回しなどが苦手な私にとってはそこに至るまでの壁がある。しかし,読み始めればその世界にいつしか引き込まれどんどんページが進んでいった。いちばん「おそろし」かったのは『魔鏡』かな?
恐ろしいのは死霊ではなく、生きている人間 
(2008-11-10)
宮部さんは、現代が舞台の小説もおもしろいですが、
江戸時代物になると、本領発揮という感じです。
人間の心の奥のどろどろと江戸時代のおどろおどろした世界と。
話の展開に無理がある、論理的でないという感想も多いようですが、
人間の感情自体が、論理的ではなく、
わがまま身勝手なのですから、これでいいのだと思います。
恐ろしいのは死霊ではなく、
生きている人間の妄執がそれを呼び寄せるのだということと思います。
たぶんシリーズ化されるのでは?というラストでした。
続編、楽しみにしてます。