ストーリーメーカー 創作のための物語論 (アスキー新書 84) (アスキー新書)
大塚 英志 アスキー・メディアワークス
グループ:Book /ランキング:8565
価格:¥ 752
発売日:2008-10-09 /通常2~4週間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
物語づくりの黄金律 
(2009-01-05)
本書を読んでの感想は、やはり何事も「型」や「定石」が大切だということです。
古今東西、そうした型や定石が伝えられているものはいろいろとあると思います。
絵画や俳句に始まり演劇や映画、はたまた囲碁、将棋から武道まで。
以前、ある有名音楽プロデューサーが「音楽は100%理論だ」と言っていたことがあります。やや誇張した言い方とは思いますが、それでも一面で的を得ていると感じたことを思い出します。
そんなわけで、本書は「物語の型や定石」を、極めて明快に分かりやすく解説した好著です。「自分にも物語が作れるかも!」と思わず興奮します。
★ひとつマイナスなのは、やや抽象的で分かりにくい著者の主張が散見されることと、何より「南回帰船」という馴染みのない作品を例にして説明をしている部分が長いためです。
有益な情報が詰まっています 
(2008-11-03)
この本の構成は、「昔話の形態学」(ウラジミール・プロップ)、「千の顔をもつ英雄」(ジョゼフ・キャンベル)、「神話の法則」(クリストファー・ホグラー)といった物語理論の歴史的名著とも言うべき本の内容がわかりやすく説明されている部分(以下Aとする)と、それらの理論を実践的に使うための著者オリジナルの手法が説明されている部分(以下Bとする)から成ります。比率はAが全体の約3分の2、Bが全体の約3分の1です。
Aの部分で説明される情報だけでも、星5個どころか10個分の価値があると思います。歴史的名著の要点がわずか約170ページに要約されているので、時間対効果、費用対効果、ページ対効果の点から考えて、非常に優れていると考えられるからです。
Bの部分もAの情報価値には遠く及ばないにせよ、非常によく説明されていると思います。
この本の著者である大塚英志氏に対しては、「オリジナルの創作論の著作者として」というより、「データベースの著作者として」高く評価できます。
物語創作に興味があり、かつ上述したプロップやキャンベルの本などを読んだことのない人に対して、私は自信を持ってこの本を勧めます。
物語は本当に理論的に作れるのだろうか 
(2008-10-19)
著者は「小説を書くという行為をコンピューターに代行させることができる」と考えています。
つまり、キャラクターとストーリーを理論的に作ることが可能だということです。
それは本当なのか、レビュー上で検証してみたいと思います。
キャラクターはドラエモンからそのまま借りてきましょう。
ジャイアンは「力(権力)」、スネ夫は「お金」の象徴であり、静香ちゃんは「姫」だと
思って下さい。
物語は勇者(の卵)であるノビタに何らかの『欠如』が発生して始まります。
ここに『欠如』=「お腹がすいた」『聖なるアイテム』=「一粒で満腹になるチョコレート」
という言語を入れることにより、話は自動的に動き出します。
(1)お腹がすいていたノビタはおやつのチョコレートをジャイアンに取り上げられます。
『欠如』
(2)ノビタはドラエモン(HPの低い魔法使い)に口惜しい思いを打ち明けます。
『相談』
(3)ドラエモンは「一粒で満腹になるチョコレート」製造器()を
ノビタに与えます。『聖なるアイテム』の贈与。
(4)それを見つけたスネオが機械を盗んで静香ちゃんや町の人々に配ります。
『偽の主人公』
(5)静香ちゃんたちはそのチョコレートがあまりにおいしいのでたくさん食べてしまいす。
『越境』
・・・以下略
このようにドラエモンの短編は『欠如』〜『越境』等々で成り立っているようです。
長編は、ジャイアン=勇士、スネ夫=商人OR賢者、ノビタ=主人公、ドラエモン=魔法使い
と考えるとドラクエと同じ文法で成り立っていることが分かります。
ドカベンだったら岩鬼=勇士、殿馬=魔法使いで・・・・
これ以上のことは語らない方が良いのかもしれません。
物語は理論的『にも』作れることを知ったら世界が全く違って見えてくるかもしれません。
(私がそうでしたから・・・・・)
それでは、また別なところでお会いしましょう。さようなら=『帰還』