カスタマーレビュー
おすすめ度:
地域差はあるのか? 
(2007-11-28)
怪異の収集場所が大きく関東と関西に分かれているそうだが、掲載の際にはシャッフルされているので地域別の怪異の内容を比較することはできない。けど、「件」の一連の話や「うずくまるもの」は、六甲山付近(厳密には兵庫県南東部、もしくは阪神間地区)での話であり、これは地域的独自性を示すものといえる。余談だが、今から25年以上前に神戸市内の保育所で昼寝の時間に保母さんが寝かしつける?ために「うずくまるもの」の原型になる話をしたことを覚えている。本書を読むまで、全国に似たような話があるものとばかり思っていた。
本書のように刊行されて、全国にいったん流通したら地域性の確認は難しくなるかもしれないが、怪異なるものの成立or遭遇の条件を知るためにも地域差の検証は有効であろう。
実話怪談の記念碑 
(2007-09-24)
新耳袋シリーズの第一巻。
実話怪談というジャンルを切り開いた記念碑的作品です。
実話怪談の世界を切り開いた、
木原、中山両名の功績は偉大です。
本作以降、
怪談、ホラー、都市伝説といった細分化された心霊文芸を飲み込んで、
「新耳袋」という実話蒐集シリーズが立ち上がって行きます。
最近の怪談の隆盛に欠かせいない作品です。
ぜひご一読を。
こわいですね 
(2006-08-03)
シリーズ全体を通して言える事ですが、いや・・・、こわいです。
夜、必ず眠れなくなります。しかし、耳袋特有のショート・ショートの手法が、どうしても読み手の読書意欲をかきたて、一晩で99話の怪談をおなかいっぱい読ませてしまうのです・・・著者の、その文章力と、興味深い怪談ばかりを掲載できる蒐集力に感服です。
ときに、数行で終わってしまう新耳袋の恐怖。
しかし、その行間や文章の終わりに、何とも言えないうすら寒さが存在しています。
温度のない活字に、どうしてこんなに寒くつめたい、恐怖を詰め込めるのかふしぎです。
勿論、すべてが怖いだけの話ではありません。心温まるような話や、きつねやたぬきの化かし話もあって、心和ませられる瞬間もあります。
しかし・・・怖いです。新耳袋の余計な虚飾が何一つ無い簡潔な怪談が、やはり一番こわいです。
毎回、毎回、文庫版の表紙が楽しみで、出るたびに衝動買いしてしまう本書ですが、買ってから、あまりの恐怖に束の間は、後悔してしまうのでした。
でも、やはり、おすすめですね。
現代版、怪談百物語 
(2005-10-26)
そもそも、百物語とは、なんぞや。
古えの教えには、「物語百せし折には怪至る」とある。
TV版『地獄先生ぬ~べ~』第44話「子どもは見ちゃダメ!!禁断の怪談・百物語! 」にもあるように、一夜のうちに百物語を語ることは、魔界への門を開くことを意味する。
著者である木原浩勝氏は、その辺りをよくわきまえている。1冊の本には九十九話までしか、載っていない。なぜなら、最後の一話は、自分自身が語るからだ..そう考えるだけで、背筋がぞわっとしてくるではないか。
小説はいい。否が応でも想像力をかき立てられる。何気ない日常に潜む恐怖、隣人に降りかかる災厄。すべては「この時間/この場所」で実際に起こりうるような気がしてくる。
「よく聞く話」と言えば、それまでなのかもしれない。それでも、ことさらの恐怖を煽るような話し言葉より、淡々と出来事を語る文体は、かえって真実味を帯びているように思える。
まずは、第一夜を体験してみては、いかがだろうか。
怪談でしょうか? 
(2003-05-29)
既に何冊も発売されているシリーズの第1弾の文庫化ということで、「怪談が好き」というレベルの僕にでも、少々聞き慣れたものが多かった気がします。よく、自分の体験談のように幽霊話をする人の話が、この本をネタ元にしているんだなあ、と気付かされましたね。悪く言えばパクリですね。
よくある幽霊話の類を集めた、よくある怪談本とは違い、話に客観性がもたらされている分怖さに欠けますが、そこが新鮮だったりするわけです。しかし、その新鮮さもシリーズを重ねるごとに……ハァ……。