カスタマーレビュー
おすすめ度:
気高い人間観に感嘆 
(2007-06-19)
神奈川県警の婦人警察官と連続レイプ事件被害者の26歳OL(仮名・松井佳恵さん)との真摯な手紙の交換を記録したもの。
松井さんの内省的で熟慮された思考、繊細でよく練り上げられた美しい文章が胸を打つ。犯人に対する恨みや憎しみを超えて、性犯罪被害に遭って苦しむ自分自身の内奥を見つめて、いったい性とはなんだろうか、というところまで掘り下げていることに驚嘆させられる。
「男なんて所詮、性欲のかたまり」と男性を蔑視するのはたやすいが、彼女はそうは考えない。「愛を伴った行為が神聖なのとは逆に、愛のない暴力的な性には、常に怒りとともに羞恥が伴う」とか「性というのは、愛と一番近い場所にあります」とかの記述から、性と愛は一体不可分で神聖なもの、という彼女の気高い人間観が伝わってくる。
本が出てから10年近く経つ。30代後半になった松井さんは、きっと幸せな結婚をして、温かい家庭を築いているだろうと自然に思える1冊だ。
自分のペースで・・・ 
(2006-11-30)
被害者と婦人警察官の手紙のやりとりが本になっています。
レイプサバイバーになろうと必死に前を向く姿が伝わってきました。
被害者は日々の苦痛に耐えながら、それを支える婦人警官。
しかし、途中で婦人警官の母親の死。
二人ともとても辛い想いをしながら支え合って犯人逮捕、強姦罪としてはまれに見る有期最高刑・懲役20年を勝ち取ったのだと思いました。
私はまだサバイバーにはなっていませんが、少しずつ・・・ゆっくりと前へ進んで行こうと思いました。
それでも負けずに前を向くことの勇気 
(2006-07-03)
著者の板谷利加子さんのお名前は、以前より知っており、この本を手にしました。
「御直披」・・・本当に親しいあなただけに、の意を持つこのタイトルどおり、
この本は、レイプ被害に遭われた方が、苦しみ、もがきながらも、板谷さんとの文通により、
少しずつ前を向いて生きていこうとする姿が克明に描かれています。
簡単に表せないほどの深い心の交流に、私自身もとても励まされ、そして共感しました。
「前を向いて」と言葉にすることは容易です。
でも、それが果たしてどれだけ困難なことか・・・。その気持ちは痛いほど解ります。
何故なら、私自身もレイプ被害者の一人だからです。
何をしていても頭をよぎる暗く深い闇、それはいつも残像となり、
自分から離れてくれることはなかったのです・・・・・
私自身は、犯人が顔見知りでした。
なので、絶対に許さない、という気持ちと同時に、
絶対に、犯人には負けない、心までは支配させない、という気持ちが、
今日までの私を支えてきたように思います。
力ではかなう筈のない女性を暴力で支配する・・・レイプとは人間として最低の行為です。
でも、それでも自分は自分なのです。犯人に心まで支配されてはいけないのです。
女性であれば、絶対に被害者にならないとは言い切れません。
ぜひ、たくさんの女性に読んで欲しい、そう思える一冊でした。
女性のことを法律は考えているのだろうか? 
(2005-03-18)
この犯罪被害者の検索の売れてる順番の3番目に、性被害者の快感についてのR指定の「作品」が掲載されている。AMAZON批判ではないが、このような分類は見識を疑わざるを得ない。
レイプを「女性も喜ぶ」といった男社会の勝手な解釈でそれを助長するような雰囲気が一部にあるが、この本を読んで、よく考えてもらいたい。
性行為は、愛情の表現である。それを暴力で一方的に行使されることは、その後の人間としての愛情表現に想像も出来ないダメージを与えることをどうしてわからないのだろうか?
この種の被害者の支援活動に当たっている弁護士として、本当に情けないのは、レイプ~強姦は、被害者である女性に対する犯罪とはつい先ごろまで考えられていなかった。善良な性道徳に対する罪であると分類されていた。
こうした時代錯誤を打ち破るための、一助になることを、この本の読者の増加で達成されることを祈念する。
泣きながら読みました。 
(2003-12-13)
他人に、突然自分の未来も希望も奪われるとはどういうことなのか。
表に出して言えない悩みとして、自分を責め続けるであろう彼女達の心の一片がわかった気がした。
他人の罪なのに自分の罪であるかの如く自責の念に駆られ…
辛くて怖くて寂しくて悔しいだろうと思う。
怒りに任せてしまいたくなることもあっただろうと思う。
勇気を振り絞って書いた一通の手紙から救われていく
作中の彼女の心情は涙無しには読めません。
スーッと心の中に入り込んでくる彼女が綴る文章に、
わたしの中で何かが変わった気がしました。
「レイプ」はひとごとだと感じているあなたに
ぜひ読んでいただきたいです。