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わたしの出会った子どもたち (角川文庫)
灰谷 健次郎
角川書店

グループ:Book /ランキング:19334
価格:¥ 480
発売日:1998-06 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
本当の優しさとは?  (2006-12-07)
 困窮した家庭に育った子供や、ハンディを負った子供たちが灰谷氏と出会うことによって、心の奥から、素直な言葉を発し、それが詩となっていく。
「先生、なぜぼくをかわいがってくれるのですか」というのを、「せんせなれぼくおかわりってくれですか」としてしか書けなかった小学5年生と、灰谷氏は文章の交流を続ける。しかしあるとき、「もう少しわかるように書いてこいよ」と言ってしまう。この生徒は、「いらんわい」という激しい言葉と共にノートを投げつける。
 灰谷氏は、このエピソードを深く反省しているが、この子が面と向かって怒りをぶつけることができたこと自体素晴らしいと思う。ハンディを持っている子供たちのうち、一体何人が、プライドを傷つけられたときに、怒りを表す機会を持っているのだろう。
 やがて灰谷氏と生徒は和解し、この生徒は台風をテーマに、力強い詩を書く。
 また、障害を持った一人の生徒は登校の道で、体調の悪い猫にあいさつをして、笹の葉をやり、木の葉に止まっているハチが、口から水分を出して、その水玉が朝日に光る様子を、「ハチのシャボン玉吹き」と名づけている。
 文章を書けないこの子の世界が、実に豊かであることを灰谷氏は見つける。そして、氏の筆を通して、この子の生そのものが、一つの詩であることを、私たちは知る。
 本当の優しさとは、相手の中に素晴らしいものを発見することなのだろう。そして、人として大切なことは、この事に尽きるのかもしれない。
 灰谷氏は、兄の自死に苦しみ、放浪した経験を持つが、次のように書いている。
『しかし、ある意思の持続が、つまりは人間の勇気とたたえられるべき力が、自らを圧殺する方向に作用するというのはなんというつらいことだろう。』
この言葉も重い。深く噛み締めるべき言葉である。


子供たちは逃げ出さない、逃げ出しているは大人たちだ  (2006-05-31)
 人との関係において自分を内省し、文章を書くことで、己の傷口を修復しながら生きることを可能にしているような著者の生き方に対し、素直に心が揺さぶられました。
 教え子に接することで得られた著者の発見は、人という存在に対する信頼の所在が、現実社会から見ればむしろ問題のある不幸な子供たちの中にこそあるということであり、更にはそれが、自分をして他の人々へ働きかける行為に繋げていくということなのでしょう。

現代のバイブル  (2004-03-15)
この作品を読んだのはかれこれ20年ほども前です。その後現在に至るまで数えきれないほど読み返しました。 目からウロコとよくいいますが、これはこころのかさぶたを取り除いてくれた、わたしにとっての最初の本です。親しくなった友人にはことごとく推薦しました。親友Kは、電車の中で声を出して泣き、挙句に涙と鼻水のせいで呼吸困難に陥ったというエピソードまであります。 生きるとは何か、命とは何か、かけがえがないとはどんなことか、教育とは何かなどいろんなことが一杯つまった素晴らしい本です。私は無神論者ですが、これは私のバイブルです。「人生、くよくよしてたらあきまへんえ」という「たっちゃん」の言葉は金言です。

This is my Bible!  (2002-04-25)
最初にこの本をPresentされてから 早6年以上が経とうとしています。その間何度読んだかもはや思い出せませんが(ほとんど全て暗記するほど)今でもこの本は私の(作者の言葉を借りて言うなら)“精神の書”だと思っています。

子どもを通して自分を見つめる、社会を考える・・・この本が最初に書かれてから20年以上経つだろうし、日本社会(日本だけでなく他の世界も)どんどん変化していく。文明と言われるものは誰の意志でか、どんどん発達していく。“変わらないもの”なんてないのかもしれないし、あっても見つけられないのかもしれない。

でも でも・・・時代の流れがどうであれ、学校教育の変化がどうであれ、私自身がこの本に寄せている想いは今も変わらない。

自分勝手な感想や意見を述べるのは著者に失礼になるかも・・・と思いながらこれを書いていますが・・・とにかく彼が本の中に出している子どもたちの詩だけでも ひとりでも多くの人に読んでいただきたい。




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