太平洋戦争 日本の敗因〈3〉電子兵器「カミカゼ」を制す (角川文庫)
NHK取材班 角川書店
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価格:¥ 504
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
日米の差がはっきりとした象徴的な戦い 
(2007-12-29)
元々の番組とは少し違う印象を受けた。番組では、レーダー、ヘルキャット、VT信管の3つが印象に残った。しかし、本書はレーダとレーダを使った迎撃システムの完成及びレーダを用いた効果的なF6F戦闘機隊の運用に対して特に焦点が当たっていてそれぞれのつながりによって米軍が効果的な防御システムを完成させ、総合的に日本を圧倒することになったことをよりはっきりと示している。
一方、この当時の日本軍機のパイロットの未熟さ、アウトレンジ戦法が与えた影響、ゼロ戦にも250Kg爆弾を搭載させたこと、エンジン技術の未熟によりゼロ戦以上の戦闘機の開発がうまくいかなかったことなども記述されているし、すべての背景にある日本軍の組織的で体質的な問題についても、米軍との比較で浮き立たせている。
マリアナ沖海戦の惨敗については戦史を研究している者の間でも原因については多少意見が分かれるところもあるが、日米の差が決定的になった象徴的な戦いであったことは確かである。
本書に触れられている以外でも、対空砲自体の性能の違い、2隻の練習専用空母を使った合理的なパイロット大量育成システム、無線システム、暗号システム、加工機械の技術精度の違い、それほどの熟練を必要としない飛行機の操縦のしやすさの工夫等日米間では他にもいろいろな差があったことも頭に入れておくと良い。
生き残りのパイロットで、その後に特攻隊員たちの教官となった方の「(今まで戦争の話は)したくないと断ってきたのです。話したくないというより、(散っていった戦友や教え子のことを)思い出すと悲しくなって涙が出てしかたがなかったのです」の言葉が重い。また、米国のレーダー技術を追いかけなければならない方の日本側研究所の技術者が戦争にどんどん召集されて減っていったというのは皮肉である。
大和魂で攻撃のみの精神構造に無念の涙。 
(2007-02-17)
マリアナ沖海戦の失敗、サイパン島陥落・・・、緒戦からすぐにどんどん旧日本陸海軍の問題点が浮き彫りにされ、ついに大本営が見放したサイパン島では4万人の戦死兵、1万人の日本人住民の死。玉砕とバンザイクリフから身を投じた。それでやっと東条首相は辞任した。そういう中で、この書は電子兵器、特に電波探信儀(レーダー)開発、科学兵器の研究において彼我の決定的な違いを対比させている。科学者と軍の組織的な連携のなさ、軍人の科学技術への無理解、陸軍と海軍の非協力の極地、海軍の中でも航空機は航空技術廠、艦船は海軍技術研究所、縦割り、構造的なセクショナリズム、これでは絶対に無理である。そもそも電波探信儀は「防御兵器」と見なされた。一方で日本軍は「攻撃優先」の思想であった。作戦会議で席上勇ましく声を大にしてが良しとされ、消極意見は排除される体質である。ここからはアメリカに大きく水をあけられるはずである。東条英機は勿論、田中新一、服部卓四郎、辻政信、河辺正三、牟田口廉也などという輩がいる陸軍は駄目として、もう少しましかと思っていた海軍も軍令部や艦政本部は大艦巨砲主義、艦隊決戦主義、日露戦争前からの海戦要務令、「攻撃」はいいが「防御」が駄目、とにかく古い。精神主義と無知と組織と指導者の資質の影響は恐ろしい。旧日本陸海軍の佐官、将官だった方々の子孫の皆さんに本書シリーズを読ませてあげたい。また渋谷辺りにたむろする中・高校生に太平洋戦争を教えてあげたい。
非常に残念かつ無念! 
(2006-05-08)
昔々、昭和30年頃に見た太平洋戦争の映画で、子供の僕に「なんで戦争に負けたのか」という疑問に対する答えを教えてくれた映画があった。「なんで負けたんや?」の答えは日本には「レーダー」がなかったからやという回答で、これを僕はずっと信じてきた。ほぼ50年を経たこの本でも同じことが書いてある。「レーダー」が日本にはなかった。従って敵がどこにいるのかわかって攻めてくるアメリカと行かんとわからん日本では自ずから差がでる(当然や)。本当はレーダーは日本にもあった、ただ日本はこの機械を正しく評価できなかった(情けない)。読んでいくと、日本の自然科学者も頑張っている人はいたのであるが、ことごとくその価値を軍部が理解できなかった(アホばかりやったんや)。なんかずっと読んでいくと、こんな言い方したら批判もあると思うけど、ちゃんとした指導者がこの戦争を指示していたら、もっとええ試合が出来とったと思う。