カスタマーレビュー
おすすめ度:
歴史の暗部をえぐり出している 
(2008-08-30)
歴史には関心の薄い私ですが、それでも中世のどろどろした世界には妙に興味があって、色々と探し回って本書を発見しました。
まさに名著だと思います。なぜ魔女狩りが発生し、そしてそれはどのように推移して行ったのか、どのように悲惨であったのか、とてもわかりやすく書かれています。
魔女狩りはキリスト教国の恥部だと思いますし、現代人は、ユダヤ人迫害や原爆と同じような意味で、もっとその歴史的真実を知らねばならない、という気持ちを強くしました。
ちなみに、錬金術師は異端審問の対象となってもよいように思うのですが、錬金術師が魔女として処刑されたという記述は本書にはありません。また、フリーメーソンとの関係もよくわかりません(同時代に存在した訳ですから、無関係のはずはないと思うのですが)。ここまで触れられていれば、本書は完璧な本といえるでしょう。
「ヒューマニズムと実証主義のルネッサンス時代は、一方では残虐と迷信の時代であった」 
(2006-03-07)
中世キリスト教国の異端審問の歴史における「魔女裁判」について記述されている。「世界国家」統轄のために作った異端審問制度により、いつしか魔女は異端者であるものとされ、「魔女裁判」にて残虐な拷問・処刑を執行されるまでになった。衝撃的だったのは、「ヒューマニズムと実証主義のルネッサンス時代は、一方では残虐と迷信の時代であった」との記述である。ルネッサンス時代は近代科学の始まりであり、多くの著名な科学者がいるが、彼らまでもが「魔女裁判」肯定派であったとは信じがたいことであった。また、1)知識はその所有者次第で最高の悪徳となる、2)狂信と政治が結びついたときの恐ろしさを認識すべし、3)科学の敵は宗教でなく神学的ドグマである を歴史的教訓として理解できたことはよかったと思う。
素人にはエログロのキモい世界でした。 
(2005-12-19)
中世ヨーロッパにおけるキリスト教を軸に、
異端審問制から魔女狩りへの流れを説明した本。
戦国時代、延暦寺の僧が織田信長に焼き討ちされたけど、
聖職者と言えども権力を持つと堕落してしまうものなのだろうか。
というか聖職者のほうが性質が悪い。
拷問で偽証を促して処刑するという、明らかに自分達が罪を捏造していながら、
これで「神の国」が護られたと自信満々。
いくら「悪魔」の存在を信じていたからとは言え、罪悪感皆無というのが痛い。
魔女裁判の終焉は一商人の抗議が発端らしいが、
彼を駆り立てたのは抽象的なイデオロギーではなく
「絞首の上での火刑を願ったのに対し、聞き入れられず生きながら焼かれる」
という具体的な現実に対する怒りだったと。
真実なんてそんなものなのかもしれない。
あれこれってどこかで同じ事が最近も 
(2005-07-01)
発売から30年以上を経過しても色褪せない名著、この方面の古典中の古典、経過時間を考慮すれば本書以上の研究は成されているのだろうとおもいたいところだが、普通の読書家が楽に手に取れる本とすればいまだにこの本となる、
映画「薔薇の名前」の悪役として登場するベルナール・ギーが実際に何をどのようにした人物だったのか記述されています、本書を読んだ後で薔薇の名前を見なおせば、ベルナールの悪役ぶりは更に鬼気迫る見せ場となり面白さ倍増です、エーコの原作小説を読んだ人には副読本として必読かとおもわれる、
魔女狩りの邪悪さがナチスや共産党の圧政に重なって見えてしまうのは評者ひとりではあるまいと思います、
歴史や宗教の暗面 
(2005-04-11)
先日亡くなったローマ法王が在命中に、過去に教会が犯した数々の過ちを謝罪した。その中で「教会の大罪のひとつ」としてあげていたのが、中世に行われた魔女狩りである。
魔女狩りに関しては、世界史の教科書に出ている記述程の知識しかなかったが、この本を読みこの上なく非道な事が宗教の名の下に行われていたのだと知った。
宗教が絡んだ犯罪は現代社会でもたびたび起こっており、そのたびに宗教のもつ二面性(救いと破滅)を感じる。無論宗教を否定するだけではならない。多くの人が宗教により救われ、信者の宗教活動のホランティアなどの活動なしでは、戦地ではより多くの被害者がでるだろう。
しかし神の名を利用して、己の私腹を肥やしたり、欲望を満たしたり、復讐の手段としてこのような魔女狩りのような事が行われていたのは許しがたい。
信じられないことだが(この本では述べられていないが)第二次世界大戦直前まで魔女狩りが行われていた地域もあったという。
とにかく、歴史の暗面を知る上でも読んでおきたい一冊である。